上京ふれあいネット カミング

ライトアップで上京に活気を!

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■初開催 お寺の夜間ライトアップ

私の大好きなお寺のひとつ、妙顕寺さんの庭園がある日とても美しくライトアップされていました。2017年秋の出来事です。


▲ライトアップされた妙顕寺の紅葉。

▲枯れ山水の庭に、特殊な石で制作された長さ約2メートル50センチの「仏足石」。ライトアップの光を受けて青く浮かび上がった

京都にきてから約10年。妙顕寺さんとは歩いて3分ほどの距離。引っ越してきた当初から妙顕寺さんのご住職はとてもやさしく、快く中を拝観させてくださったことで親しみを持っていました。ちょっと気分転換をしたいとき、お散歩にきています。
大きなお寺で、調べてみると鎌倉時代より歴史がある日蓮宗の大本山。
しかもこの秋は、上京区の妙顕寺、妙覚寺、本法寺の日蓮宗3カ寺が、初めて同時に特別展を開き庭園の夜間ライトアップもそろって開催したというから驚きです。
紅葉や桜が見事で知る人ぞ知る撮影スポット。私にとっても癒しの妙顕寺さんでなぜライトアップが!?

■企画コーディネーター 菅真継さん


▲お寺を案内してくださる菅さん。菅さんの好きな場所のひとつ。

そのコーディネートをされたのが、菅真継さんです。
八百屋さんの4代目。現在、アパレルのお仕事をされています。
菅さんがなぜお寺をイベントの場として選んだのか、コーディネーターとしての菅さんをご紹介させていただき、今後まちづくりをされる方や興味を持たれている方の架け橋になればと考えています。

■お寺で行った理由

そもそもなぜお寺でライトアップをしようと思われたのでしょうか。

京都市上京区生まれの菅さん。2,3年前、ふと、最近地元のまちを歩いていないなと思い歩いてみることに。慣れ親しんだ道を歩いているはずなのに、あったはずの建物がなくなっている、〇〇店のおっちゃんがいない・・・衰退している街並みを目の当たりにし寂しい気持ちになられたそうです。生まれ育った上京区、北野商店街界隈をもっと盛り上げることができないか、という思いになられました。
菅さんは、早速上京区の地図を開いてみました。
「お寺が多い!」
なるほど、さすが上京区。やるならここだ!と。
ご自身が中学生の頃、よく声をかけてくれたあるお寺のお坊さんを思い出した菅さん。
会って話しを聞いてもらえないだろうかと思っていたら、なんと偶然目の前を通るではありませんか。
そのお坊さんはその時とかわらず親切で、菅さんの力になってくれました。「妙顕寺さんを紹介しましょう。」と。

■開催に至るまで

思い立ったらすぐ行動される菅さん。
早速妙顕寺さんに話に行かれたそうです。


▲光琳曲水の庭。大きな赤松。

▲竹林の坪庭

とはいえ、形にするまでかかった時間は約1年半。
お寺の会議への参加、お掃除などを通じて信頼関係を築いていかれました。

そんな苦労があって手作りのライトアップが完成しました。
菅さんを中心にご友人の方、お寺の方々…わずか4~5名で作り上げた初年度のライトアップだったそうです。当然あらゆる面で関係者の方のご尽力はあったことと思いますが、できるだけコストをかけず、成功に導かれました。

■成功の秘訣


菅さんから教えてもらった成功の秘訣があります。
それは、「若くて、楽観的な思考もありパワーがある人がコーディネートをした」ということ。やると決めたらやってみる!その行動力と継続できるパワー。人間的な権力関係なども当然あるかもしれませんが、あまり考えすぎない若い楽観的な思考。そうでなければきっと京都、ましてや上京区ではできなかったのではと。

それぞれの役割があると思います。行政にしかできないこと、年を重ねなければできないこと、お金がなければできないこと、子どもにしかできないことなど。
菅さんのお話を聞いて、ご自身の役割を理解され、今のこの時代の菅さんだからできたことかもしれない、と感じました。
人を惹きつける魅力ある人物でした。

■現代風の夜間ライトアップと伝統文化

ライトアップという現代風のことを行って、伝統文化が廃れてしまったらどうする、失敗してお寺の来る人が減ってしまったらどうする、などマイナス意見ももちろんありました。当然、プレッシャーもありました。
ですが、開催の結果、拝観券のカウント数だけでも通常の3倍の方が拝観されていたのです。これには菅さんもお寺関係者もびっくり。信徒以外の方に数の面だけでなく、普段開放していない場を開放されたことにより、伝統文化がものすごく必要なものだということを若い人達にも伝えるきっかけになりました。
お寺の教え、お寺の空間は一般の方にとっては敷居が高いものだと思われがち。ですがそれを下げるのではなく広く門を開き、親しみのあるものにうまくかえることができたのではないでしょうか。

さらに、開催中は受付をされながら時間があったら案内をされていた菅さん。
来られた方からは、「来てよかった!」、「またやってほしい」など嬉しい感想がたくさん。SNSでもたくさん発信されています。

■最後に

2018年春には桜の時期にも開催されました。



次回は2018年秋を予定されています。

上京区にぴったりの取組だったとひとりの地域住民としても感じています。
小鳥のさえずりや、木々がゆれる音、通り抜ける風を感じながら過ごせる場。


歴史に名を遺す偉人たちが過ごした地で、静かに活気ある取組。
大成功に導いた菅さん。新しいプロジェクトも動き出しているそうです。
これからのご活躍を期待するとともに、私も「文化、芸術、活動」をキーワードに取組を続けていきたいと思いました。

レポーター

岡元麻有

上京区、妙顕寺さんの近くで町家ギャラリーの企画運営を行っています。
大好きな妙顕寺をあんなに素敵にライトアップしてくださった菅さんとはどんな方なのか、そんなわくわくと恐れ多さでアポイントを取らせていただきました。
第一印象から、とても「素」でパワーあふれる好印象の方でした。私思い立ったらすぐ行動!その精神を忘れずがんばる気持ちになりました。

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