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自分の暮らすとこは自分らで守る〜文化講座を開き、出版活動をした町内会・一松町〜

 
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一条通と衣棚通を上がったとこから武者小路通に出るまでの一角に位置するその町内は、
京都で初めて、町内会単位で企画して、著名な文化・芸能・学術関係の方を講師に招いた文化講座を開催したり、『京都御所西・一松町物語』という本を出版したりと、非常にユニークな活動をしている。
一条通と、西行法師の子孫にあたる松波検校(まつなみけんぎょう)が住んでいたことから名付けられたという一松町。
 
今回は、このユニークな町内会が生まれた真相を伺いに、56世帯がお住まいの町を訪ねました。
 
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▲今回、お話を伺ったのが大西さんです
 
「かつては、ここの町内のひとたちも繊維業に従事する方が多く、室町に務めに出ておられましたね。」。と、今回お話を伺った元町内会長の大西鉄也さんの先代も、以前は織物を炊く仕事、精練業をなさっていたのだとか。
大西さんはこの一松町に生まれ、この町で終戦を迎え約70年の間、この町に暮らしておられる地元っ子です。ご自身が以前から、まちづくりの意識があったという一松町ですが、決定的に他の町内会と何が違ったのか?そんなことをお聴きすると…。
 
・この町内を良くしたい、と思う人がいたこと。
・町内にアンケートを撒いたり、地蔵盆の後に反省会を開くなどして、皆さんの意見を
聴くことを大切にしたこと。
などを、教えてくださいました。
また、町内会のなかでの住民同士の交流についてお聴きすると、町内会での交流の機会づくりを積極的にされているとのこと。
 
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▲以前の新聞で、町内のユニークな住民が紹介されていました。(過去の新聞記事の切り抜き)
 
 
例えば、「一松町新聞」という、年4回の町内新聞の発行で情報の共有をして地域のつながりが保てるようにしている。なんと、既に町を離れた元住民に対しても、今でもその町内新聞を送っているのだそうです。また、「おばんざい教室」などのイベントも企画されているそうです。今も昔も変わりなく町内の人同士仲が良いのは、苦労や困難を共にした子どもたちが面倒見のいい大人になったからでしょうか。
 
「戦中戦後は、町内に子どもが30人くらいいて、薪を買うお金がなかったから御所に取りに行ったり、防空壕の跡地に花壇を作ったり、とにかくみんな仲が良かった。
」とのことです。
 
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▲そんな繋がりのおかげで、なんと40年ぶりの一松町同窓会を開いたそうです!(過去の新聞記事の切り抜き)
 
 
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▲こちらは当時の中学校の地蔵盆の一幕。アフリカの劇をしたそうです。
 
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▲かつては一松町にも子どもがたくさんいました
 
 
 
また、一松町内では、『住みやすい環境づくり』ということに関しても、積極的に話し合いの場を持って臨んでおられるようです。
例えば、今から5年前の2007年7月に、大半の世帯が合意して締結したという建築協定。大西さんいわく、京都市内6000町内ある内で建築協定の協議会に入っているのは市内で36地区だそうです。
 
 
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▲一松町では、景観保全のための建築協定地区に申請し、認定されている
 
 
「建築協定をして自由にできなくなるから、家の価値が下がるなんじゃないか」という町民の心配する意見もあったそうですが、(実際に価値は下がらなかった。) 売買実例を示して説得するなどして、町内の意見をまとめるよう努めたのだそうです。
 
 
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▲NTTと関西電力の電柱が交互にあったが、NTTと交渉して、電柱を取り払ったという
 
 
京都市の新景観条例ができたことにより、家の高さが15mまで建造できるところ、住民自ら更に12m以下へと景観制限をしたのだそうです。飲食店やマンションの建設はさせない。これも、御所西の静かな環境を自分たちの意志で守ろうという、意識の高さの表れです。
 
また、この一松町の最もユニークなポイントはそれだけに止まりません。
町内会独自の文化講座「一松町文化講座」を実施したのだそうです。これは、町内に住む杉山正明先生(モンゴル研究の国内の第一人者)と一緒に企画したもので、京都の町の歴史や伝統を地域の人たちに知ってもらおうということで開催したのだそうです。京都府からの助成金をもらい、今までに講座を10回実施したそうで、武者小路千家の当主、有馬頼底さんなど、そうそうたる文化人を招いたそうです。しかも、元々つながりがあったわけではなく、「あたってくだけろ」で、講師の交渉をして招いてきたというのだから、そのバイタリティには驚かされます。
 
 
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▲町内会独自の文化講座「一松町文化講座」を実施。(過去の新聞記事の写し)
 
 
 
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▲今まで開催してきた「一松町文化講座」のチラシ
 
 
 
さらに、「京都御所西・一松町物語」という本まで町内会で出版されています。

京都の観光地を紹介する本は全国的に沢山ありますが、この本では、ひとつの町内が全国に向けて京都の昔ながらの町のことや伝統を伝えています。この本の収益で、文化講座の運営費を賄ったのだそうです。
 
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▲ページをめくってすぐ。一松町の由来が載っていました。
 
 
さて、これほどまでに町内会で積極的に活動しておられる大西さんが大事にしている価値観について伺いました。
 

「経験者に聞きながら、自分たちの環境は自分たちで守らないといけない。」と大西さんはおっしゃいます。その言葉には、この地に生まれ育ち、見て来た景色ゆえの気概を感じました。
 
「最近の町は地域力が落ちている。地域の力は担い手をどれだけ作れるかどうか。一松町でも新しい家はほとんどが15坪の3階建てで、子どもが大きくなったら転居される方もいます。高齢化して子どもが減っている。これから大事なことは、住民が『ここを終の住処にしよう』と思えるかどうかだと思う。」
 
以前、この町内に空き家が出たとき、町内で会合を開いて別の家族に入ってもらったそうです。コミュニケーションを大事にしながら、終の住処をまもり、地域の担い手を育てること。そんな一松町の一端を見た気がします。
これから一松町がどのようなユニークな取組をされるのか、とても楽しみです。
 
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▲一松町内を案内して頂いた大西さん
 
 
 
一松町についてのお問い合わせは、大西さんまでどうぞ
 携帯電話番号:090−2118—1452
 
 
【レポーター紹介】 
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たかはし ひさこ  
 
上京区出身。多文化な下町、横浜は鶴見にある銭湯、清水湯三代目女房。銭湯シェアハウスの我が家では、旦那とメイツと日々をワクワク湧かしつつ暮らしています。世代交代により、薄れたり改まったりするご近所付き合いの寂しさと有難さを感じることしばしば。実家と嫁ぎ先と友人のいる町を往来しつつ、再構築、再発見の新しさ、持ち前の好奇心にお節介なおばぁちゃんになる為の開き直りも加わり、近くにあったのに興味を持たず、又は持てず、遠かった色々を訪ねたくてマチレポに参加しました。
 
 
 

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