この度、日ごろからまちづくり活動に取り組んでみえる方たちを主な対象として、上京区まちづくり活動支援事業の一環としての「写真の撮り方」講座が開催されました!
講師に、日々幅広い撮影指導を手掛ける「ギャラリーbe京都」オーナーの内山純一氏をお迎えして、主にスマートフォンやコンパクトデジカメといった扱いやすいカメラを使っての質の良い写真/伝わる写真を撮影するコツや方法を伝授していただきました。
参加人数は総勢13名。実際にまちづくり活動で取材をされていたりする方たちがほとんどで、皆さんそれぞれ持ち寄ったカメラを傍らに、とても熱心に聞き入っていました。スキルアップへの熱意が伝わってきます。
「普段は一眼レフを主にやってますが、今日はスマホとコンパクトカメラを中心にポイントを教えて、『飛躍的に』うまくなるやり方を教えます!」先生の頼もしい言葉!
本日の構成は大きくは3つ。
写真にも撮る目的があります。今回の講座では、記録写真としての撮影を主眼に、まず「何のための写真か」について考えてもらうことと、その上で「目的のためにはどういう部分を意識して撮るべきか?」を理論と実践で紹介し、最後に実際に教室内で撮影をしてみる時間を取りました。
最初のポイントである「何のため」という部分では、取材の際の記録写真であり、同時にそれは個人で楽しんだりする趣味の写真ではなく、人に見てもらい、情報を伝えるという目的がある写真であること。これを忘れない心構えが大切というお話です。
そのためには取材の際にどういう写真が必須なのか?それを自分できちんと考え、「MUST」を必ず決めて撮影に臨むことがまず必要ということでした。
確かに、例えば何かイベントの取材に行った時、イベントの雰囲気や講師の姿、そもそも何のイベントなのかがわかるような写真が無いと、読む人にとっては不親切な記事になってしまう危険があります。そうならないために、当日どういうものを撮るべきかをあらかじめ自分でイメージしておくことから、既に写真撮影の第一歩は始まっているんですね!このお話はとても納得でき、参加者の皆さんも真剣にメモを取っている姿が印象的でした。
スマホが多いですが、コンパクトカメラもちらほら。
開始15分、早速みんなカメラを出して、のぞいてみます。「実際より写っているものが小さくなっていますね?この状態を『広角』といいます」(講師の先生)
記録撮影には2種類あり、ひとつは個としての「モノ」を撮る場合と、もうひとつはその場所の空気感、「光景」を撮ること。その違いと、それぞれでどういう所に気を付けて撮影すればいいのかをわかりやすく教えていただきました。カメラレンズの特性やデータの大きさについての詳しい説明もあり、それを知っているだけで意識する部分が大分変わって写真がより良くなるという・・・。そこまで知らずに今まで撮っていた自分には、まさに目からウロコなお話でした!
かみぎゅうくんをモデルに、「モノ」としての人物の撮影の仕方について解説。
タテ方向の人物は、中心をどこにするかで見栄えが変わります!
「写真は引き算の美学。壁が背景なら、影が映りこまないように少し離れて撮ります」
真剣に被写体の位置を調整中!
「光景」は、その場の空気感が伝わるものということで、遠景がメインになります。会場のどの位置から撮れば、より良く伝わる写真になるか?図もまじえながら説明。画面のゆがみを考慮して、壁や柱といった、垂直・水平ラインも意識することが大事とのこと。
「(これを意識するだけで)めちゃくちゃ綺麗になりますよ」
このあたりから、参加者からも質問がどんどん出るようになります。「テーブルの上に置いてあるものを撮る時はどうすれば?」「拡大すると画質が落ちませんか?」「人物が複数いた場合には縦?横?」それぞれに丁寧にはきはきと答えてゆく先生。
ここまでで約45分が経ち、気付けば外の景色もすっかり暗くなっていました。いよいよここからの残り時間で、これまで説明されたことを参加者それぞれのカメラで実践してみます。皆さん椅子から立ち上がって、教えてもらったことを反芻しながら撮影会。柱の多い部屋だったので、それを基準に「光景」を意識して撮ってみる人や、「モノ」としての人物撮影ということで、「かみぎゅうくん」を被写体にしてみたり・・・。撮りながら気付くことも多く、更にたくさんの質問が飛び交い、活気に満ちた時間になりました!
「今、自分が何を撮っているのか。モノか、光景か?それを区別するだけでもぐっと変わりますよ」
今回、「写真の撮り方」ということで、少しでもうまく撮れるようになりたいと思い参加した講座でしたが、カメラがスマホなどの普及によって身近になった分、簡単に写真は撮れても、やはり知識があるのと無いのとではその「伝わる力」が変わってくるということを感じる機会になりました。知識を持って、目的に応じた適切な撮影や意識を変えるだけで、写真が持つ情報の伝わる強度は大きく変わるということを、実感できる約1時間半になったと思います。先生も参加者の皆さんも熱心で密度の濃い内容だった分、いきなりすべて体得するのは難しいですが、これから活動していく中で試しつつ、今回の内容を自分なりに理解していきたい!そう思います。
宮川文歌
京都に引っ越してきて約1年。もともとよく来ていた京都ですが、住んでみての視点でこのまちのまた違った魅力をたくさん知っていきたいと思い、自分なりに動いているところです。書くこと、そして美術やお寺めぐりが好きなので、そんなレポートもしていきたいなと思っています。