堀商キッズチャレンジは、小学4年生から中学生を対象に、堀川商店街を活動場所とし、地域が元気になるお手伝いをすることで、リーダーとして必要な能力を身に付けること、そして商店街や地域の魅力を発信して、多くの方に知ってもらうことを目的に、特定非営利活動法人アントレプレナーシップ開発センターさんが主催されている講座です。参加する子どもたちは、仮想企業「堀商キッズ社」として、堀川商店街の魅力発信や、地域交流等の様々な事業アイデアを考え、実践していきます。
2018年3月21日、今回はその「堀商キッズ社」の「春まつり」に参加してきました。
会場に入ると、受付の子どもたちが元気な笑顔と挨拶で迎えてくれました。
参加費のこと、会場の中で楽しめる催しのこと、大人顔負けの丁寧な説明に驚かされます。
催しコーナーは、堀川商店街を知るすごろくコーナーや、西陣織体験、ゲームコーナーにカフェコーナーとバラエティ豊か。どれも子どもたちが考え、準備したものです。
西陣織体験(織物体験)は、毛糸をつかった、平織りのストラップやコースターづくりで、担当の子どもたちが織り方を上手に教えてくれます。そしてお客さんに楽しんでほしいという想いが伝わってきます。地域の方たちも参加されおり、時折、子どもたちと会話をしながら、皆さん楽しんでおられました。
“堀川商店街すごろく”も子どもたちの手作り。大人の想像を超える完成度で、実際の堀川商店街の店舗や二条城や京都御苑といった場所がすごろくのマスになっています。商店街のことを楽しみながら知ってもらえるよう、他にも様々な工夫がこらされています。すごろくの進行もとてもスムーズで、参加者同士、はじめての顔合わせでしたが、とても楽しく遊ぶことができました。
カフェコーナーや、ゲームコーナーも含め、子どもたち一人ひとりがサービスを提供する側として、主体的に考え行動していました。時には会場の外に出て元気よく春まつりのアピールもしていました。
子どもたちの呼び込みに応じて海外の観光客の方が来場され、会場は賑やかさを増していきます。なんと英語のメニューも子どもたちによってばっちり用意されていてびっくりさせられました。
他にも広報チラシやポスターを作製し、堀川商店街にある店舗にも掲示をしてもらっていたりと、広報の部分や、地域との事前の関わりにも取り組んでいたとのこと。当日の催し以外でも子どもたちは頑張っていたようです。
後日、堀商キッズ社春まつりの振り返り会にも参加させていただきました。2月4日からの計6回にわたる活動の最終日です。子どもたちは、今回の活動が本当の商売ならどうだったろうかという視点で、コストのことや、サービス内容、接客対応について良かった点、反省点と振り返っていました。良かった点で共通していたのは、来場された方に自分たちがつくった企画で喜んでもらえたこと、ひとりひとりが頑張り、協力できたこと。
反省点では、サービスをきちんと伝えるためにもっと準備が必要であったことや、広報として企画の魅力を発信する難しさなど。社会の中で仕事をする上で大切なことを、子どもたちの視点でしっかりと感じているようでした。
そして、「一人ではできないことも、人と協力すればできるんだ」ということ、「どうすればうまくいくのか」を考え続けることの大切さ、「将来自分も商売をしてみたい」というビジョンであったりと、子どもたち自身のこれからにも大きな気付きがあったようです。
こうした機会を通し、普段は参加する側、サービスを受ける側の子どもたちが、主催する側、サービスを提供する側を経験することは、仕事や人と人との繋がり等、社会の仕組みを学び、自分たちのできることを実感するとても良い機会なのだと感じました。子どもたちと社会との関係に枠をつくるのではなく、こうして機会を設け、広げていくことが、変化の激しいこれからの社会の生きる子どもたちにとって、とても重要なことだと実感させられました。それに、子どもたちを起点にはじまるまちづくりは、誰にとっても優しく、元気になれるまちづくりになるだろうと感じます。子どもたちだけでなく、地域の大人にとっても、とても大切な活動ではないでしょうか。
この活動は今後も継続が決まっており、今回参加した子どもたちも次回を見据えていました。これからの活動の広がりと、子どもたちの成長がとても楽しみです。
○平成29年度上京区民まちづくり活動支援事業 活動報告
http://www.city.kyoto.lg.jp/kamigyo/page/0000235890.html
○堀商キッズチャレンジ
http://www.entreplanet.org/horishokidschallenge/index.html
村上 弘(特定非営利活動法人SOWERS 代表)
上京区大宮通にて民間の学童保育、after schoolミライブラリを運営しております。
子どもたちの放課後の時間を豊かにすることを目的に、日々様々な体験を子どもたちに届けています。