上京ふれあいネット カミング

気になる!上京de婚活

最新レポート一覧

もう一般的になった言葉ですが、「婚活」とは理想の相手を見つけて、幸せな結婚をするために様々な活動をすることです。令和元年11月3日(日・祝)、上京区役所の4階にて「上京de婚活」が開催されました。上京区140周年を契機に「縁」や「絆」をつなぐきっかけづくりという婚活のサポート目的のほか、上京区の生活文化に溶け込んでいる和装文化の振興等も目的としています。主催は上京区140周年記念事業実行委員会です(中小企業家同友会上京支部の有志のみなさん、NPO法人京都観光文化を考える会・都草のみなさんが中心)。多くの人が気になっている「上京de婚活」の内容とお二人の想いをお聞きしましたので紹介します。そしてこのレポートの最後にみなさんが気にされている今回の結果をご紹介しますね。

<上京de婚活の応募資格とは>

上京区在住、在勤、または将来上京区に居住を希望されている23歳以上45歳以下の独身の男性、女性が対象です。「上京de婚活」の目的内に和装文化の振興もあるので、和装での参加者を優先していることが特徴です。参加者みなが着物をお持ちではないでしょうから、事前に着物レンタルとヘアセット(ご本人負担)を主催者がご紹介していました。参加者の様子を見ると、女性はほぼ着物、男性も全体の三分の二が着物のようでした。


会場で説明を聞く参加者

説明される中小企業家同友会上京支部の方々

<上京de婚活の内容は~その1>

全体の流れは二部制で、一部は体験、二部は交流です。
まず、参加者は13時に上京区役所4階会議室の受付に集合です。そこで三グループに分かれ、グループごとに三つの体験を順番に巡ります。
【体験1】上京の歴史文化を知る
今回の企画部分を担当したNPO法人都草の藤井さんがパワーポイント資料をまとめ、
・上京区ってどんなところ?
・上京区の歩み
・文化のまち
・上京区の春夏秋冬(季節の行事紹介)
・上京区の御利益さん(厄除け、病気平癒、苦抜き、縁結び、夫婦円満、子授け、安産、学問の神様、芸事の神様、勝負に勝つ、出世、開運、悪行祓い、交通安全、耳、足腰、極楽往生)を人生の流れに沿って説明しました。


会場の様子

説明内容の一部

【体験2】お茶体験
紅白の紐の真ん中に番号札があり、番号部分を隠して男女一斉に紅白紐を引きます。紐にある番号順に男女対面で赤い毛氈に座ります。まずは男性にお菓子が配られ、女性がお茶を点てます。心得がある人、ない人関係なく、一心に茶筅を動かし男性へお出しします。男性は女性のお茶を飲み、「結構なお点前でした」と。
男女交代し、今度は女性にお菓子が配られ男性がお茶を点てますが、ほとんどの方が初めてのようで苦戦されていました。しかし、着物を着てお茶を点てる姿はそれなりに見えるものです。


紅白の紐を引く参加者

お茶を点てる男性陣

【体験3】人間組紐
第一部のハイライトかもしれない人間組紐。まずは鳴橋庵の鳴橋明美さんが組紐の組み方を説明され、皆で見学。その後、会場の中央に設置された紐がぶら下がるポールを中心に、女性が内側、男性が外側に円になります。手拍子にあわせステップを踏みながら握手、挨拶をしてぐるぐるペアが変わり、あるところでスタッフが「ストップ!」と声かけ。その時正面の人同士でペアを組みます。ペアでポールから延びる長い紐を1本持ちます。全組持ったらペアの向きを変え、右回り、左回りのペアが順番に並ぶようにして、音楽がスタート。ペアは紐を一緒に持ったまま、前から来るペアの紐をくぐったり、くぐらせたりを交互に進みます。 すると、中央のポールには組紐と同じ原理で紐が組まれていくのです。
初めは距離感が遠い男女ですが、全体で息をあわせて動かなければならないので徐々に近くなります。紐はどんどん組まれて短くなるので、更に距離は近くなるという仕掛けなのです。良くできていますね。まるで皆で一緒にダンスをしているようで壮観でした。参加者もやっているうちに笑顔になり、非常に楽しそうでした。一定時間でストップがかかり、ポールに組まれた紐の様子を見て一同「お~」と声を上げていました。紐に色があるのでとても可愛らしい出来でした。


組紐を説明された鳴橋さん(左)

中央に配されたポールの上部に紐が組まれる

男女ペアで紐を持ち動く様子

<上京de婚活の内容は~その2>

第二部は、皆バスに乗り区役所からブライトンホテルへ移動しました。ブライトンホテルではロの字に机が準備されています。女性が内側、男性が外側に座ります。受付で渡されたファイル内にあるプロフィールシートに記入し、目の前の人とシートを交換して、1人当たり3分お話しし、反時計回りに外側の男性が席を移動していきます。男女各25名(男性は当日一人欠席)のため、25回席を移動となります。


配られたプロフィールシート

記入中の様子

3分間トークの様子

印象確認カードと最後の希望記入カード

すべての方とお話しした後、「印象確認カード」に話しやすいな、とか印象が良いと思った方の番号すべてに〇をつけ、スタッフが回収します。回収したカードを集計し、ご本人に■番の方があなたの印象が良いと思っているというカードを返します。フリータイム中にカードの番号を手掛かりに探し、自由にお話しします。会場内には、軽食や飲み物などが用意されていたので、休憩時間やフリータイム中にリラックスしながら話される方々もいました。フリータイム後に希望カードを記入し回収、集計をして結果発表です。見事カップリングが成立した方々には、ブライトンホテルからお食事券が提供されました。

<運営者の想いを聞く~事業発案者 石井祥平さん(中小企業家同友会上京支部)>

婚活イベントは石井さんが林区長と話す中で少子化対策の話題となり、区役所主導ではなく民間が動いてできることだと考えました。上京の住民には学生が多いけれども卒業したらみな出ていきます。若い世代が少しでも上京に触れる機会、そして昨今出会いが少ないというこということから上京を知り、出会いの機会を提供する婚活イベントをやってみようとなりました。石井さんが所属する中小企業家同友会上京支部の中で声を掛け、有志が9人集まり運営メンバーとなりました。


中小企業家同友会のみなさんと打ち合わせする石井さん(中央)

石井さんによると、実は区役所で婚活イベントをやることは裏テーマでした。区役所は生活する中で、区民が行きそうであまり行かない場所です。でも区役所にはフリースペースや区民が借りられる会議室があります。イベントも多く開催されています。石井さんも時々打合せで、1階の区民交流スペースを利用されるそうです。石井さんは、区役所という場所がもっと区民に近いと感じてもらえたらいいのにと考えているのです。区役所にふらっとくれば、配架のチラシやポスター、展示などで上京の事業を知るきっかけにもなるのです。
石井さんは以前、上京区まちづくり円卓会議拡大会議 上京!MOWに参加したことがあり、考えや意見をお持ちの方が非常にたくさん参加されて、ワークショップを通して話し合う中でアイデアが具体化していく経験をし、思いを実現可能とする場所だと非常にびっくりしました。とても刺激を受け石井さんの今回のモチベーションにつながったのです。このように区民のみなさんが、区役所にふらっと来て様々な事業につながれば、想いが実現するかもしれない、そういうことを知ってほしいと思われています。


「上京!MOW」に参加する石井さん(中央)

<運営者の想いを聞く~第一部の企画立案者 藤井久美子さん(NPO法人京都観光文化を考える会・都草)>

石井さんたちが運営を担う一方で、体験の企画を検討したのは藤井さんを中心に、NPO法人京都観光文化を考える会・都草(以下、都草)の方々です。藤井さん達は、伝統文化や上京の歴史が勉強でき、楽しめる企画を考えるというミッションを受けました。お茶席を設ける案はすぐに出ましたが、ただ単に出されたものを食し頂くだけでは婚活イベントとして面白くないと考えました。そこで、男女がお互いにお茶を点て入れ合うことを思いつきました。その中で、ひととなりも見られて良いかもしれないと思ったのです。和室は狭い空間ですので、実際に正面に座った相手を凝視することになります。その成果は…ご本人たちのみぞ知る、ですね。


お茶席の準備をする都草のみなさん

次に、上京の歴史文化をスライドで紹介する、特に上京区内で生活する中で多くの神社仏閣が生活に関わっており、デート観光にもつながる情報として「上京区の御利益さん」をとりまとめ紹介しました。京都市内の御利益さんについてはこれまでも説明した経験がありますが、上京区内は今回が初めて。集めて全体を見ると人生全てに渡る多くの情報がありました。参加者にはぜひ情報を参考に、あちこち巡ってもらいたいものです。


スライドの説明をする藤井さん(左)

最後に、参加者が全身を使い一番盛り上がった人間組紐です。組紐体験という案から、京組紐・飾り結びを制作される鳴橋明美さん(鳴橋庵)に相談に行きました。座って体験するよりは身体を使ってする作業が良いと思われた鳴橋さんは、以前Youtubeで見たポールに紐を垂らし、少女たちがダンスする映像を藤井さん達に紹介しました(※)。鳴橋さんいわく、組紐と原理が同じなのです。センターに配置するポールは、服を掛けるポールを利用。カップルで持つ長い紐は、着物の腰紐、とくに長さが必要なので男性の腰紐を利用しました。すべてが手作りです。人間組紐は参加者にとって誰もが初めての作業で、戸惑いながらも協力し合うことで気持ちが通じて打ち解けるのではないかと大いに期待していると、藤井さんは満面の笑みで語ってくれました。


人間組紐の準備をする都草のみなさん

※インターネットで検索すると「メイポールダンス」というダンスで、ヨーロッパの国々で春の訪れを祝う五月祭に行われている様子が見られます。日本では大正時代に女子体育教育の一環として持ち込まれ、歴史の長い女子高校、大学では現在も学校の伝統として続けているところもあるようです。

<そして結果は・・・!?>

長らくお待たせしました、結果発表です。25組中14組のカップリングが成立しました!驚異の成立率56%です。第4候補まで記入いただきましたが、すべて第2候補までで成立したそうです。第一部の体験の工夫、第二部の運営の工夫など見事的中したのではないでしょうか。スタッフ一同驚きつつも非常に喜んでおられました。

上京は着物がとても似合うまちだと思いますが、今回多くの参加者が着物を来て、さらにスタッフのほとんどが着物でとても壮観でした。中小企業家同友会の方々は着物を着慣れてないそうで、今回着物を着るという経験をあえて選びました。スタッフも体験し、楽しみ、参加者と一緒に盛り上がろう、という気概が感じられました。取材をしている私も拝見していて非常に楽しかったです。


NPO法人京都観光を考える会・都草、鳴橋さん、及び中小企業家同友会上京支部有志のみなさん

レポーター

松井 朋子(まつい ともこ)

人間組紐を見て、NHK大河ドラマ「いだてん」の中でメイポールダンスをしている映像を思い出しました!あれは何だろう?と思っていたのですが、目の当たりにするととても楽しそうでやってみたくなりました。

ページの先頭へ
facebook
リンクページ
上京区役所 上京のまち歩きマップ 上京区140周年記念 特設サイト 上京区の市立小中学校一覧 西陣の朝市 にしZINE