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地域をつなぐ西陣の朝市マルシェ、開催!

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成逸、西陣、桃薗、聚楽の4学区にあった小学校が統合され、京都市立西陣中央小学校が1997年に開校しました。それをきっかけに、「4学区が一緒になって地域を盛り上げよう」という機運が生まれ、様々な活動を行う中、2012年から西陣児童公園で西陣の朝市マルシェ(以下、朝市)が年に5回開催されてきました。朝市の運営の中心となるのは、「西陣まちおこしの会」。西陣地域の活性化を目指し、地域住民が集まる場を作ろうとの思いを持つ地域の方々によって構成されています。
取材では、西陣まちおこしの会の西陣学区代表で、西陣住民福祉協議会会長を務める藤林宏さんと、昨年西陣中央小学校PTA会長に就いたことをきっかけに、今回初めて朝市に出店した渡辺亮さんにお話を伺いました。


藤林会長(右)と渡辺さん(左)

2022年5月8日(日)、第41回西陣の朝市マルシェが開催されました。
2年3ヶ月ぶりの開催となった朝市には飲食や雑貨など28ブースが並び、9時になると、待ってましたとばかりに来場者が次々と訪れました。また、岩手県の郷土芸能「鬼剣舞(おにけんばい)」という演舞が来場者を楽しませ、朝市に活気をもたらしていました。

今回、西陣中央小学校PTA役員経験者有志で作られた「西陣中央ファミリー屋台」グループは、聚楽学区にある駄菓子屋さんや仲間の協力を得て、駄菓子が並び、ゲームで遊べるブースや、日本酒の試飲ができる「大人のための屋台」ブースを運営しました。

出店のきっかけを渡辺さんに尋ねると、昨年度(2021年度)、PTA会長になった渡辺さんが「学校や地域の中で活動していくには、どうしたらよいだろう」と模索していた頃、藤林会長から「まずは地域の中に溶け込んでみたら」との声かけがあり、そのご縁で朝市に出ることになったそうです。
2022年2月に予定されていた朝市に向けて準備をしていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により朝市は止むを得ず中止になってしまったため、5月の朝市は待ちに待っての開催となりました。

当日は、小学校で朝市のチラシを受け取った児童が家族と共にやってきて、始終大賑わい。渡辺さんは、「子どもの笑顔が見られたのが何より良かったです。保護者も足を運び、会話することができました。朝市を終えて、登校時の見守りに立っていると、『朝市のおっちゃんや』と子どもたちに顔を覚えてもらったり、その後の授業参観で保護者に『朝市に行きました』と話しかけられたりして嬉しかったですね」と語り、 「反省としては、当日は運営に夢中になってしまい、他のブースを回れませんでした。次は会場全体をめぐって、運営も参加もどちらも楽しみたいです!」とのこと。一緒に運営した仲間と「次の朝市が楽しみだね」と話すなど、朝市が仲間同士のコミュニケーションに一役も二役もかっているようでした。

朝市では、西陣織工業組合青年会も初めて出店し、同志社大学ボランティア支援室学生スタッフARCO(以下、アルコ)が運営ボランティアに携わるなど、地域で活動する若い世代の参加がありました。
アルコの参加も約2年ぶりとなり、「先輩から後輩へと受け継がれていた縁が途切れてしまいそうでした」と藤林会長はコロナ禍で関係性を維持することの難しさを語りました。これまでの朝市を知る学生はいなくとも、当日は4名の学生が運営本部で抽選会を手伝い、「コロナ禍でなかなか活動ができなかったので、ようやくボランティアとして地域の人たちとつながりができて嬉しいです」と元気な声が聞かれました。

「地域には高齢者が多いこともあり、これまではどちらかというと高齢者が買い物を楽しみ、ご近所さんと交流する場でした。朝市を始めて10年経ち、当初からのスタッフも同じだけ年を重ねました。10年ひと昔と言いますが、今は5年ひと昔のように時代の変化も早く、今までと同じやり方をしていたら、いずれ続かなくなってしまいます。今回の朝市開催にあたっては、声をかけたり、かけられたりして、若い世代の出店や運営に関わる人たちが増えました。その結果、当日は子どもから高齢者までが集い、運営にも厚みが増したように思います」と藤林会長は振り返りました。

「ここで生まれ育った人も、新しく越して来た人も『ちょっと行ってみようかな』とふらりと来ることができます。定番のお店と新しいお店が並び、夏のかき氷や冬の石焼きいもなど季節に応じた店もあり、安心感と期待をもって訪ねられるのが西陣の朝市マルシェの面白さです」と藤林会長と渡辺さんは朝市の魅力を語ります。
住民が交流し、地域を知る場になっている地域密着型の朝市。次回もまた楽しみです。

西陣の朝市マルシェ http://nishijin-marche.com

レポーター

亀村佳都
京都市まちづくりアドバイザー
朝市では、自分で自転車を漕ぎながらコーヒー豆を挽く体験ブースを訪ねました。「もう少しで挽けますよ」「がんばってください」と学生スタッフが温かく応援してくれました。会場では、家族が集い、友人や知人と語らう姿が見られ、あちこちに笑顔があふれていました。

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