元気に！楽しく！西陣の伝統文化を織り交ぜた夏祭りを開催

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西陣を活性化したいと思う地域の事業者などの集まりである「西陣サロン」と「西陣Fes実行委員会」が、地域住民との顔の見える関係性をつくるとともに、子どもが西陣の伝統工芸や伝統文化、商いに触れる機会を持てるようにするために、8月5日（土）10時〜17時に夏祭りを開催しました。

会場となった京都信用金庫西陣支店の駐車場スペースでは、西陣地域にお店を構える人たちによるマルシェが開催されていて、縁日で定番のから揚げやフライドポテトのほか、天むすやうなぎ、サンドイッチ、台湾料理、イタリアのスナック、珈琲などが並んでいました。お店をはしごして地域の人と話すことができ、明るい雰囲気の中、地域を知る好機となっていました。

2階に上がると、伝統工芸に触れられるワークショップや縁日のコーナーがありました。子どもが思う存分遊び、伝統文化を体験できるよう、ほとんどのブースが無料という、子どもにとって夢のような夏祭りとなっていて、子どもたちは受付でスタンプカードを受け取るとすぐに会場を巡り始めました。

受付のそばには「座繰り機」という西陣織で使われる、糸を糸巻きに巻き付ける道具が展示されていて、子どもも大人も自由に触れることができました。

今回の夏祭りではミニ畳作りや西陣織アクセサリー、餅焼き、京縫(きょうぬい)のぬり絵などが体験できました。

ミニ畳作り体験ブースでは、「畳のない家に暮らす子どもたちに、畳作りを通じて実際に手に触れてもらえるよう、子ども対象のワークショップをやりたいと思っていました」とお店の方の思いを伺いました。

また、子どもたちが黙々と京繍の図案に色を塗っているブースを訪ねると、「依頼主とイメージを共有するために、刺繍する前に色鉛筆を使って毎回「ぬり絵」をしています。工場に行くと図案があちこちにあったので、子どもの頃からぬり絵をしていました」と伝統工芸に携わる方のお仕事にまつわるエピソードに触れられました。

西陣織の素材を使ったアクセサリー作りのブースでは、「「ピアスやイヤリングをお母さんやおばあちゃんにプレゼントしたい」と女の子も男の子もブースに来て、自分好みの色や形を選んでいる姿がかわいかったです」とワークショップの楽しそうな様子を伺いました。

焼いているうちにぷっくりと亀の形に膨らむお餅を焼くブースも、子どもの関心を集めていました。餅を薄く切り、亀の形に抜いてから、甲羅模様を刻んで作るこのお餅は、白い餅はサクッと、赤い餅はふんわりと仕上がるように工夫されていて、甲羅を刻む深さも、場所によって違うのだそうです。子どもたちは、職人の技が詰まった亀のお餅を焼いておいしそうに食べていました。

15時になると、千本ゑんま堂大念佛狂言保存会による狂言が始まりました。「狂言を今日初めて見る人はいますか」との問いかけに「はーい」とたくさんの手が挙がり、「千本ゑんま堂」の名で親しまれている引接寺(いんじょうじ)で1000年以上伝えられている、セリフのある狂言を知ってもらう良い機会になりました。

観客は「雷」と「花(はな)盗人(ぬすびと)」という演目のあらすじを教えてもらいながら、分かりやすいセリフと共に大きな身振り手振りで表現される狂言を見て、物語の中に引き込まれていきました。

広々としたテラスでは、スーパーボールすくいやヨーヨー釣り、輪投げ、射的、さらには暑い夏にぴったりのプールまで、子ども心をぎゅっとつかむ縁日のコーナーがありました。午前中の一番人気は射的で、20名ほどの子どもが列を作っていたそうです。少し人出が落ち着いた午後も、たくさんの子どもがやって来ては夢中で遊んでいました。
「のんびりした夏祭りかなと思っていましたが、息つく間もないほど子どもが次々と訪れてくれました」「長い行列ができたので、急遽整理券を配って、待ち時間に他のブースを回れるようにしました」「用意していた材料がなくなり、店に追加の材料を取りに戻りました」と、出店者が語るように、夏祭りは大にぎわい。
200名以上の子どもが、大人も含めると約500名の来場者が会場を訪れて、ワークショップや縁日、マルシェを楽しみ、「子どもたちの夏休みの思い出の中に西陣地域で受け継がれている伝統技術や文化を残したい」との主催者の思いが伝わる夏祭りとなっていました。

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