同志社大学継志寮が2021年に建てられたことをきっかけに、翌年から、それまで寒梅館で行われていた夏まつりを継志寮で行うようになりました。
今年で3回目となる「継志寮夏まつり」に向けて、寮生で構成される継志寮夏まつり実行委員会の代表を努める2回生の鈴木挙志郎さんと1回生の山野莉子さんにお話を伺いました。
継志寮では、1回生から4回生までの国内学生と留学生約80名が、多様な価値観に触れながら共同生活を行っています。今年4月に入寮した山野さんは、「寮生と一緒に勉強したり、料理を作って食べたりできる寮生活が大好きです。学年を超えた付き合いもあり、「一人じゃない」と安心します」と寮生活の楽しさを伝えてくれました。1年以上寮で過ごす鈴木さんも「ウェルカムパーティーなど知り合うきっかけがあり、その後一緒に暮らす中で自然と友人ができます。すぐ近くにいるので、わざわざ誘わなくても食事を一緒にしたりします」と居心地の良さを語ってくれました。
「教育寮」として位置づけられる継志寮には、地域社会に主体的に関わる力を育てるための教育プログラムがあり、それに惹かれて入寮する学生もいるそうです。継志寮夏まつりの企画運営は、そのプログラムの一環で行われ、学年や国籍の異なる寮生が協力し合うことや、地域の人々と出会いと交流を通じて、自らも地域の一員であると認識することが期待されています。
鈴木さんと山野さんは、「みんなと協力してまつりを企画してみたい」「寮生だけでなく地域の人と知り合いたい」と継志寮夏まつり実行委員会に加わり、代表として、16人の委員の意見をまとめています。「来場者がより楽しめるように」との視点に立ってたくさん出てきた案の中から出し物を決め、会場の飾り付けを決め、チラシを昨年よりも早く印刷して周知に力を入れて、準備に力を注いでいます。
親子連れを対象とした昨年の継志寮夏まつりでは、ヒーローショーやボッチャ体験が盛り上がったそうです。今年は、「子どもからシニア世代の近隣の方々に来てもらえたら」「昨年出会えなかった中学生や高校生にも来てもらえたら」と、より幅広い世代が集う夏まつりになるように企画しました。そのため、出店ブースを昨年よりも増やし、食べ物の屋台を初めて出し、椅子に腰掛けてくつろげるスペースを設けるなど、来場者が思い思いに過ごせるよう工夫したそうです。
その結果、多種多様な出し物が決まりました。会場に設置されたステージでは、ヒーローショーやフラダンス、K-POPダンス、マジックやジャグリングが披露されるほか、来場者もステージに上がって、童謡、ポップ、演歌などジャンルを問わずに歌を楽しむ「のど自慢大会」があるそうです。
ブースには、ボッチャ体験を始め、キャンドルライトやジオラマ作り、もぐらたたき、だるま落とし、寮生オリジナルの大判かるた遊びや「ストラックアウト」と呼ばれる的当てゲーム、板菓子に描かれた図柄を手や爪楊枝でくり抜く「型抜き」など一つひとつ遊びたくなるゲームが並び、さらには人力車の試乗体験コーナーも準備しました。
かき氷やワッフル、チュロス、飲み物などの飲食ブースは有料ですが、ゲームなどのブースは無料で、心ゆくまで遊ぶことができます。おまけに、ブースを巡ってスタンプを集めたらスーパーボールすくいもできるとのこと。子どもだけでなく大人も童心に帰って、楽しい夏の思い出を作れそうですね。
「屋台が出て、イベントの数も盛りだくさんとなる今年は、さらに面白いおまつりになります!初めての方もリピーターの方も楽しめるようにがんばります」「色々な人と関わって、おまつりを成功させたいです」と、意気込みを語る鈴木さんと山野さん。
ご家族と、ご近所さんと、お友達と一緒に夏まつりのひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。継志寮で溌剌とした学生生活を送る寮生が、みなさんの来場をとびっきりの笑顔で迎えてくれることでしょう。
亀村佳都
まちづくりアドバイザー
継志寮夏まつりに向けて、かき氷ブースを「襄の氷削り」と屋号を付け、子ども向けに可愛らしい「おばけ」をモチーフに会場を飾るというエピソードを伺いながら、同志社大学への愛着や来場者に楽しんでもらいたいという気持ちが伝わってきました。
おまつりのプログラムやレイアウトなど全体像を描くだけでなく、各ブースや備品の買い出しなど細やかな準備もある中、一つひとつの経験を楽しんでいる様子がとても素敵でした。今年の夏まつりが大盛況となりますように!