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子どもを見守り、地域の親睦を深める「たいけん地蔵盆」

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8月3日(日)、待賢住民福祉連合協議会による主催で「たいけん地蔵盆」が行われました。会場は、元待賢小学校。明治時代に番組小学校として開校した歴史ある小学校です。



▲旧保健室や体操教室を使って地蔵盆が行われました

かつて、お地蔵さまを祀っている町内のほとんどで地蔵盆が行われていましたが、近年子どもの数が減り、さらにコロナ禍で人が集まる機会も減り、京都市全体で地蔵盆の開催を見送る町内が増えるようになりました。
今年、待賢学区では30町あるうち17町内で地蔵盆が開催されたそうですが、「地蔵盆を行う町内が減る中で、学区として地蔵盆を行い、子どもたちに地蔵盆を経験してもらいたい」という意見が待賢住民福祉連合協議会の役員会で出たことがきっかけで、「地蔵盆プロジェクトチーム」が立ち上がりました。リーダーには、今年度から役員を担い、ご自身も子どもを育てる橋本木綿子さんに白羽の矢が立ちました。民生児童委員や老人福祉員の協力を得ながら、小学生の子どもを育てるメンバー4人が中心となって企画を進めました。

二次元コードを読み込んで申込みできるようにしたポスターを作り、町内の掲示板や回覧板を活用し、待賢幼稚園や友人知人に声をかけて周知したところ、2歳から11歳までの子ども48名から参加申込みがありました。プロジェクトチームのメンバーは、「十数人集まれば御の字だったので、たくさんの申込みがあり、びっくり」と驚き、「地蔵チーム」と「菩薩チーム」の2グループに分けて、子どもたちが全てのプログラムに参加できるように企画を練り直したそうです。

そうして迎えた当日は、10時前に子どもたちが続々とやって来て、祭壇に祀られたお地蔵さまにあいさつをしていました。


▲会場に祀られたお地蔵さま

▲お地蔵さまに手を合わせてごあいさつ

学区内にある長源寺からお坊さんが来られ、子どもたちはお経を聞きながら数珠を回しました。続いて、大きな鍋に入ったご馳走を1メートルもある箸を使って食べる天国と地獄の食事にまつわる法話がありました。お鍋の向こう側にいる人に「どうぞ」と長いお箸でご飯を届け、分け合って食べる天国と、「我先に」と食べ物を口に運ぼうとするものの、お箸が長すぎて食べられず、イライラして喧嘩が起こる地獄の様子を、イラストを用いて語り、相手を思いやる心の大切さを子どもたちに優しく伝えられていました。


▲大きな数珠を回します

▲話に聞き入る子どもたち

子どもたちは、絵を描いて行灯を作り、射的を楽しみ、ねり飴を食べながら紙芝居「食べられたやまんば」を聞いて過ごし、帰り際に地蔵盆のおさがりとしてお菓子を受け取り、スタッフの差し入れによる大小さまざまのスーパーボールが当たるくじ引きもして、最後の最後まで楽しみが尽きませんでした。


▲思い思いに絵を描きます

▲ 完成した行灯の展示

▲親子そろって紙芝居を鑑賞

▲お母さんと一緒に射的に挑戦

甚平を着て参加した男の子は、「射的で一等を取ったよ」と刀を見せてくれました。他にも射的が楽しかったと話す子どもが多く、お祭りに射的は欠かせない遊びのようでした。また、「行灯で海の絵を描いたのが楽しかった」「友達と遊べた」と子どもたちは大満足。まさに、子どもが主役の地蔵盆となりました。

子どもと一緒に参加した保護者は「子どもにとって初めての地蔵盆です。今年は町内でも地蔵盆があり、どちらも参加します」「マンション住まいで地蔵盆はなく、子どもは今日初めて行灯を作りました」「京都出身ではないので、私自身も初めての地蔵盆でした。来年も子どもと一緒に参加したいです」と、子どもにとっても大人にとっても地蔵盆を体験する良い機会になったようです。

待賢住民福祉連合協議会の原吉則会長は「地蔵盆プロジェクトチームに全て任せ、素晴らしい地蔵盆になりました。子どもを育てる若い人たちの発想と行動力、ネットワークのおかげです。地域の子どもの成長を願い、見守ろうとの趣旨で行われる地蔵盆を、待賢学区で暮らす子どもたちに体験してもらえました。また、思いがけず、参加者と民生児童委員との新しいつながりもできました」と振り返りました。 

橋本さんも、地蔵盆プロジェクトチームが立ち上がった時から「継続していくことが大事」という認識をチームで共有しながら準備をしてきたそうです。「地域のつながりを感じる機会になれば嬉しいです。夏になると「地蔵盆がやってきた!」と子どもたちに感じてもらえるように続けられたら」との抱負を語られました。


▲原会長(左から2人目)と地蔵盆プロジェクトチームのみなさん

レポーター

亀村 佳都
まちづくりアドバイザー
「小さな学区なので、地域行事を通して年齢の異なる子ども同士も顔馴染みになりやすい」と運営スタッフや参加者の方々から伺いました。大きな親戚の集まりのようなアットホームな地蔵盆で、子どもたちの楽しそうな様子に元気をもらいました。

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