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地域住民も芸舞妓さんも観光客もみんな一緒に!上七軒の「盆踊り」

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2022年、盆踊りや念仏踊りなどの民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」がユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されました。

盆踊りの歴史は長く、平安時代中期、歌って踊りながら念仏を唱えた「踊り念仏」が起源だといわれています。踊り念仏は、念仏を唱えるだけでなく、踊りで喜びや感謝の気持ちを表現し、救いを求める行為として地域ごとの特色を出しながら、伝えられてきました。
やがて唱えるものが念仏から歌になり、お盆の時期に結びつき、ご先祖様や精霊の魂を、にぎやかに歌や踊りで送り出すことに発展していったといわれています。

今では、盆踊りは地域の枠を超えて、海外の方も参加されるなど、エンターテインメント性が出ているように感じます。ご先祖様の供養や念仏を踊りながら唱えた…という意味は後付けになってきているかもしれませんが、それ以上に、子どもも大人もみんなが楽しく踊るのはいいものだな、と感じます。

上京区でもおおむね8月末に小学校や公園などで学区ごとの盆踊りが行われ賑わいをみせていますが、今年は台風10号の影響を受けて中止となった学区もありました。
そんな中、9月14日(土)に開催された「第13回上七軒盆踊り」を取材しました。


▲上七軒盆踊りポスター

▲会場は上七軒歌舞練場駐車場及びその周辺

上七軒盆踊りは、京都五花街で最も歴史のある上七軒(上七軒歌舞練場周辺)で行われる盆踊りです。


▲開催日の上七軒通は車両通行止めになります

なんといっても特徴は、浴衣姿の芸妓さん舞妓さんと一緒に地元住民らが盆踊りを楽しむことができること。


▲上七軒匠会 内海会長あいさつ

▲上京区 原区長あいさつ

▲北野天満宮 挨拶。会場には多くの方が集まり、盆踊りの成功を願います。


▲青空の下、浴衣姿の芸舞妓さんが踊ります

▲軽やかで上品な踊りが目の前で披露されます

▲一般の方も一緒に踊り、どんどん輪が広がっていきます

歌詞に「糸の町…」という言葉が入り、上七軒発祥で織物が盛んな西陣地域の発展を願って作られた「西陣音頭」などに合わせて、上品で軽やかに踊る姿にみんなうっとりします。地元住民や観光客も自由に踊りの輪に参加することができ、どんどんと輪が広がっていきました。上七軒歌舞練場の周辺は京都らしい華やかな雰囲気が漂いました。 


▲北野天神太鼓会 神若会による太鼓の演奏

第1部はやぐらまわりにて行われ、その後、北野天神太鼓会 神若会(かみわかかい)による太鼓の演奏や子ども向け盆踊りがあり、第2部は上七軒通 にて行われました。第2部開始前には松井京都市長もかけつけ、盆踊りはさらに盛り上がりを見せました。


▲松井京都市長の挨拶

盆踊り本番に至るまでは、実行委員会を開催し、話合いが行われてきました。


▲実行委員会の様子

主催する上七軒匠会に話を伺うと、昨年から暑さ対策も兼ね、9月に開催するに至ったとのこと。今年は有料観覧席を導入するなど新しい形を取り入れて実施されました。
上七軒匠会とは上七軒で営業する店舗約40軒からなる商店会です。上七軒の伝統、文化を継承し地域の振興、発展を願い、春は落語会、夏には上七軒盆踊りの運営、また北野天満宮のお祭り「ずいき祭」での交通整理や警備活動など、京都最古の花街、上七軒にふさわしい「本物」を追求し活動を続けておられます。お仕事でお忙しい中、安全と安心に配慮し準備を進めておられ、盆踊り当日は黒い法被姿が輝いていました。


▲太鼓演奏のため交通整理をサポートされる会長

▲今出川通からも賑わいがうかがえます

▲上七軒通は大賑わい

▲浴衣姿の方もたくさん

▲わかりやすい屋台マップが設置されています

▲臨時ゴミ箱やお手洗いも設置されていました

▲屋台やキッチンカーも

▲9月とはいえ暑い日が続きます。ドリンクも大人気

小さなお子さま連れの方から、地元の方、外国人観光客、盆踊りや上七軒のファンの方、たくさんの方が足を運び、盆踊りという時間を通じて、夏の最後を楽しみました。

レポーター

岡元麻有
時代の変化もあり、続けていくための課題は尽きないかもしれません。花街である上七軒特有の雰囲気を味わうことができ、おもてなしを学び、体感することで、また襟を正して上七軒を訪れたい、そんな思いになりました。これからの上七軒匠会の活躍に期待が高まりました。

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