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西陣が好きになる「西陣 本でつなぐ人とまちスタンプラリー」

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2024年9月20日(金)から11月20日(水)までの期間、西陣エリアに点在する6つの書店や私設図書館を巡る「西陣 本でつなぐ人とまちスタンプラリー」が行われ、11月に訪れました。

最初に向かったのは、最も北に位置していた「余波舎/NAGOROBOOKS」。
「スタンプを押してもらう」という用事があるおかげでためらいなく扉を開けると、建物の2階に本屋さんがありました。「こんにちは」と挨拶を交わし、新本と古本のある場所を聞きながら店主さんの温かい人柄に触れ、「また来たいな」と思うと同時に、「次に訪れる本屋さんはどんな雰囲気なのだろう」とワクワクしました。

訪れる場所は、どこも魅力的で、つい長居してしまいそうでした。
スタンプラリーの台紙を持って、一人で訪れた日には落ち着いて巡る楽しさを、仲間と一緒に訪れた日には、本を話題にしながら仲間と巡る楽しさを味わいました。


▲余波舎/NAGOROBOOKS

▲コーヒーを飲みながら、本を読むこともできます。

▲正親まちの本箱 オリーブ文庫。オリーブの木が目印です。

▲正親学区内に10の本箱が軒先に置かれ、借りる人のメモや感想が記されています。

▲開風社 待賢ブックセンター

▲放課後になると子どもたちがやってきます。

▲きらくやえほん

▲絵本を用いて子育てを楽しく楽にするコツを学べるお話会や絵本の読み聞かせも行われています。

▲こもれび書店

▲棚ごとに、棚主が選んだ書籍が並んでいます。

▲ みんなの図書館 knocks!horikawa

▲ 子どもから大人までが過ごせるコミュニティスペースを兼ねています。

スタンプラリーを存分に楽しみながら、主催した「本でつなぐ人とまち」の國定若菜さんと新山隆司さんにお話を伺いました。
國定さんは、2023年10月から堀川商店街でみんなの図書館knocks!horikawaという、シェア型私設図書館を運営しています。西陣には本にまつわる場所が色々あることに気づいた國定さんは、本屋さんを歩いて巡ることで西陣の魅力を伝えられたらいいなと思ったそうです。「スタンプラリーをやりませんか」とそれぞれの書店に呼びかけて、3月に「本でつなぐ人とまち」という団体を立ち上げました。


▲國定さん(左)と新山さん(右)。
大学の授業でインタビューを学ぶ大谷大学の学生さんと日にちを合わせてお話を伺いました。

新山さんは、スタンプラリーの台紙とスタンプをデザインしました。
台紙は、茶色やオフホワイトで秋らしさを表現し、地図を手に取った人が自由にメモできるよう、余白を多めに取ってあります。スタンプは、本屋さんの外観をモチーフにデザインしました。
また、全員揃った打ち合わせで「6つのスタンプが揃ったら、記念品を渡そう」と決まり、オリーブ文庫の店主さんが中心となって手作りのしおりを100個用意しました。


▲スタンプラリー台紙と記念品のしおり

「スタンプを押すだけでなく、それぞれのお店の特徴を感じてもらえたら」との思いから工夫したのがガチャガチャの設置です。参加者は、ガチャガチャを回して出てきた「クエスト」と呼ばれるメッセージカードを見て、店主さんとの会話のきっかけにします。
店主さんから教えてもらうだけでなく、参加者が店主さんにお勧めの本や西陣のお気に入りスポットを伝えるクエストもあったそうです。子どもが集う開風社待賢ブックセンターでは、「僕の大好きな本を探してください」と、かわいらしい字で本のタイトルが書かれたクエストを仲間が引きました。「できれば買ってね!」とのメッセージも添えてあり、ガチャガチャがコミュニケーションを図るのに大いに活躍していました。


▲不要になったら捨てるのではなくリサイクルできるよう、段ボール製のガチャガチャを用意しました

國定さんは、たまたま西陣にある宿に滞在し、スタンプラリーに参加した観光客から「街並みがよく、まち歩きが楽しいです」と聞いたり、地域の方々から「自分がよく行く本屋さんのことしか知らなかったので、他のお店を知る良い機会になった」「いつか行こうと思っていた本屋さんに、スタンプラリーの期間中に行くと決めることができた」との声を聞いたりしたそうです。また、6つ巡った小学生たちが記念品を嬉しそうに受け取る姿に出会ったり、きらくやえほんで参加者が絵の展示を行うことになったりと、店主と参加者の間の交流も生まれたことを喜ばれていました。

「実は、スタンプラリー初日にスタンプラリーの台紙ができたんです」と準備から実施までを振り返って反省する國定さんと新山さん。次回は、広報にもっと力を入れたいと語るほか、スタンプラリーの期間に合わせて、ブックトークやまち歩きなども企画してみたいと抱負を語られました。

國定さんと新山さんも、スタンプラリーを通じて、ますます西陣が好きになったそうで、「本屋さんをはじめ、飲食店や雑貨屋さんなどの個人店が多く、店主さんたちと接すると温かい人が多いです」と笑顔で伝えられました。みなさんも、本と人との出会いを楽しみに、西陣のまち歩きをしてみませんか。

レポーター

亀村佳都
まちづくりアドバイザー
ガチャガチャをして私が手に取ったクエストは「お勧めの本を教えてください」でした。店主さんから「フィクションとノンフィクション、どちらが好きですか」と尋ねられ、一冊のノンフィクションの本を通じて会話が生まれました。スタンプを押すだけではない楽しみを味わい「次は飲み物を飲みながらゆっくり本を読もう」と思いました。

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