まち歩きツアー ぶらり歩こう　応仁の乱 東陣

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応仁・文明の乱（以下、「応仁の乱」という。）（1467～1477年）で東軍が拠点を置いた上京区の「東陣（ひがしじん）」エリアを巡るまち歩きツアーが、2024年12月14日（土）に開催されました。
西陣織で知られる「西陣」だけではなく、「東陣」にも焦点を当て、上京区の魅力を広く発信するというユニークな視点です。

室町時代後期に始まり、戦国時代へのきっかけとなった応仁の乱。11年もの間、長きにわたり、京都の中心部や周辺部で戦乱が続きました。そんな応仁の乱の主要なポイントをガイドの案内とともにぶらり歩きます。
小雨がちらつく寒い日の開催となりましたが、参加者たちはまちを歩きながら、歴史に触れることができました。

集合は、応仁の乱勃発の地、御靈神社です。

午前の部、午後の部、約50名の参加があり、10名ほどの班に分かれまちを歩きます。

御靈神社を出発し、相国寺へ向かいます。
実際のまちの様子と、応仁の乱の後の京都が描かれている上杉本洛中洛外図屏風の資料、「東陣ゆかりの地」の説明板などを見ながら進んでいきました。

相国寺は足利義満が創建を発願し、1392年に完成した禅宗寺院です。
「洛中洛外図屏風の雲に隠れた部分を歩いてきたわけです」と豊田ガイドがおっしゃると、まるで雲を歩いてきた気持ちになりました。

109メートルの七重の大塔があったこと、落雷によって炎上したことなどを教えてもらいながら、当時に想いを馳せました。
次に、同志社大学寒梅館の建設に伴う発掘調査で、発見された石敷き遺構を見学しました。

1378年に足利義満が造営した花の御所は、室町殿と呼ばれ、室町幕府の名の由来となりました。
花と庭園の美しさから「花の御所」と呼ばれたそうです。消失と再建を繰り返し、最終1476年に焼亡しました。花の御所遺構は発掘調査で「花の御所」の北東角と推定されます。当時の地表面がわかります。

その後、同志社大学新町キャンパス内の近衛殿跡、光照院（持明院跡）を歩き、いよいよ応仁の乱、一条大宮の戦いでの激戦地である百々橋（どどばし）跡へ。

百々橋の東に、東軍の大将である細川勝元（ほそかわかつもと）邸、西に西軍の大将である山名宗全（やまなそうぜん）邸がありました。

当時、小川通には小川（こかわ）という川が流れていました。小川は、上立売通で一度東へ曲がり、さらに南へと曲がって流れていました。その後、一条通で西へ直角に曲がり堀川に合流したそうです。御靈神社と今宮神社の氏子圏の境界線でもあり、地元住民にとってもかかわりが深く、興味深いお話でした。

町名の由来も知ることができました。
当時、このあたりは勾配がきつく、川の水が落ちるように流れていたことから「水落町」と名付けられたとのことです。

続いて、東軍の大将・細川勝元邸の南東にある小川児童公園へ。

真如堂は応仁の乱が終息した１４７８（文明１０）年、東陣内に再建され、その後、左京区へ移転しました。上京区には「元真如堂町」として地名が残されており、説明板は上京税務署塀に取り付けられています。ここでは、寺から建材などを略奪する足軽を描いた真如堂縁起絵巻で混乱する当時のまちの様子を感じました。応仁の乱を象徴する場面で、「東陣」という名称が本当にでてきたということを証明する資料としても紹介されました。

約1時間30分のまちあるきも終了です。参加者から話を聞くと、「東陣というテーマに興味をもって参加しました。あっという間のまちあるきでした。」「ガイドさんの説明がわかりやすかったです。歴史を感じることができ、まちに愛着を持ちました。」といった声がありました。
寒い中での開催となりましたが、ゴール地点ではすっかり青空が見えていました。
自分の足で、歴史に名を遺すスポットや人物の偉大さや広さを体感しながら歩くことができ、まちへ関心が高まりました。