外国人女性の会パルヨンさんは、京都に住んでいる外国人女性を支援するために、2007年(平成19年)8月にできた会です。パルヨンはフィンランド語で「たくさん」という意味を持ち、たくさんの交流の場で友達をたくさんつくり、情報をたくさんもらうことができるように名づけられました。
11月18日(日)に開催された「ワークショップ となりの外国人とのおつきあい」を通じて取材させていただきました。このワークショップは「平成30年度上京区民まちづくり活動支援事業」にも採択されています。
日本人でも引っ越しなどで生活環境が変わるとわからないことがたくさんあります。
外国人の方はなおさらだと思います。
そんな悩みや疑問を相談できる場があることは素晴らしいことです。
パルヨンさんの取組、外国人の方の想い、そして代表のニーナさんのお人柄がすばらしく、活動を応援したいという気持ちになりました。
日本では、外国人に対して、行政・企業・その他いろいろなグループが、着物、生け花、和太鼓など、国際交流の視点からの紹介を行っています。 ところが、定住者向けの行政サービスや取組は、まだまだ少ないと言わざるを得ません。そこで、「日本で生活をする」、そのためにどんな情報が必要かを共有し、発信し、広げていこうと始まったのが、パルヨンの活動でした。例えば、日本での生活、言葉の問題、子育て、医療、ご近所づきあい、家族の問題、地域の慣習などについて外国人女性が話題を出し、それについて他の参加者(外国人、日本人)からアドバイスや情報をもらうことを定期的に行っておられます。
さらに、2016年(平成28年)から「上京区民まちづくり活動支援事業」に採択され、そんな悩みや失敗談をいかしてつくった「上京区に住む外国人のためのわかりやすい生活ガイドブック コトナin Kamigyo」を制作し、2017年(平成29年)には、英語と中国語版も制作。2018年(平成30年)には日本人向けの「となりの外国人とのおつきあい」というガイドブックも作成されています。
ちなみにコトナとは、古都と、フィンランド語のコトナ=アットホームという意味があり、古都京都で、安心して生活が始められるように、という願いが込められています。
とてもあたたかいですね。
ぜひ、みなさんに知っていただきたいです。
組織として、すごくメンバーが充実しており、この日も、外国人と日本人の橋渡し的存在のスタッフの皆様が協力して運営されていました。男性スタッフさんもおられました。
また、日本で生活するために頑張って日本語を勉強しているイタリア・アルゼンチン・フランスからのゲストも交え、「災害時について」などテーマごとの内容での意見交換も、終始和気あいあいと進んでいきました。
町内や、おうちの近所に外国人が明日引っ越してくる「かもしれません」。
上京区にも90か国以上から外国人の方がおられます。
そのうち、英語が母国語の方が実は少ないということをご存知でしたか?例えばアメリカ合衆国の中でもスペイン語が母国語の方も多く、すべてのアメリカご出身の方の母国語が英語ではないのです。
だからこそ「やさしい日本語」で伝える必要があるのですね。これは近年多発している災害時には特に重視され、教訓になっています。
では「やさしい日本語」とは何かというと、
できるだけ短い文章を、ゆっくり、はっきりと。そしてわかりにくい言葉は、わかりやすく言い換えることです。
例えば道案内をするときも、日本語学校で教えるという初級~中級の間くらいのレベルで伝えてみることを心がけてください。小学3年生の国語のレベルを意識するとよいそうです。
そしてもうひとつ印象的だったのが、方言を使わないということ。
それは色々な地域出身者である日本人の学生さんの場合も同じ悩みがあるかもしれません。京都の人たちが無意識に使っている「アガル・サガル(北へ行く・南へ行く)」、「ごみをほかす(ごみを捨てる)」などもそうですよね。
やさしい日本語に正解はありません。
でもコツはあります。その意識をもち、京都人らしく、親切にわかりやすくコミュニケーションがとれたらよいと思います。
ホームページでも随時情報が更新されています。
必要な方にシェアすることができますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
外国人女性の会パルヨンHP
岡元麻有
京都市上京区在住。町家ギャラリーbe京都館長。
京都在住の海外アーティストから暮らしにかかわることで相談を受けることも多くなりました。そんな中ずっと気になっていた活動をされているパルヨンさんを取材させていただけ、嬉しいです。