世の中には当たり前と思っていることでも、今日この瞬間からでも変わってしまうこともあるかもしれません。コロナ禍における今は、まさにその通り。だれもがいろんな悩みを抱えています。
私にも小学3年生の娘がおりますが、もしかしたら、「学校に行きたくない。」と言い出すかもしれません。
すっきり会は、不登校・行き渋り・五月雨登校の子どもを持つ保護者とその関係者が集まり、何かできることはないのか?どうしたらよいのか?と悩みを分かち合う場として、2017年に発足されました。
きっかけは、近所の不登校の子どもを持つ保護者が集まり話をしていると気持ちが楽になり、前向きになったという経験からでした。
毎月第2土曜日に活動をされており、少人数で講演会、学習会などの場を作られています。
専門家による相談や原因を追究する場ではなく、保護者という立場から「思いを共感する場」を大切にされています。
代表の田井中さん、副代表の内藤さんにお話を伺いました。
すっきり会は、専門家集団ではありません。子どもの不登校を経験した保護者が運営をされています。
だからこそ、思いの共有をとても大切にしておられます。
そんなお二人に、
「子どもたちと接するとき、一番大事なことは何ですか?」
という質問をしました。すると、年齢や状況・環境に違いはあるので、とても難しいですが共通して言えることは「受け入れること」「焦らずに待つこと」と教えてくださいました。
私たちは原因を追究してしまいがちです。
学校で何かあったのか?何がしんどいのか?と質問を重ねていきます。
でも、会を続けてきて子どもたちや保護者から話を聞いていると、以外と多いのが、「本人にも原因がわからない」ということだそうです。
子どもたちは、「学校に行かないといけない」ということはわかっている、でも「行きたくても行けない。」という葛藤を抱えています。「本人が一番思い悩んでいる」のです。だから、必要以上に原因を追求せずに子どものしんどさを受け入れて、心が回復するのを待つ必要があるのでしょう。
もうひとつ大事なこと。それは、「まずは親が元気になること」です。
子どもが不登校になった親は、自分を責めてしまうことがよくあり、精神的にも肉体的にも疲れてしまいます。
してはいけないとわかっていても、子どもや家族に強くあたってしまったりすることがあるのですが、親の心理状態が子どもに伝わってしまい、ますますしんどくなってしまいます。
そうならないようにも月に1度、自分の気持ちを吐き出す事をすっきり会では受け入れてくださいます。
もちろんお母さんだけでなく、学校の先生やお父さんも話をすることはとても大切な事です。
どんな立場からでも不登校や行き渋り・五月雨登校について話がしたい方はぜひご参加してみてはいかがでしょうか。
最後に、今後の展望を伺いました。
「これまで、すっきり会では、まずは保護者が安心して思いを吐き出せる居場所を作ることを目標に活動を続けてきました。しかし、活動を続ける中で子どもたち同士も繋がりや居場所を求めていることに気づき、『子どもが安心して過ごせる居場所』も作りたいな。と思っています。」と田井中さん。
内藤さんからは、
「不登校に限らず、いずれ大人になる子どもたちには、『信頼できる大人』が必要です。
信頼できる大人がいれば自信や優しさを育み社会に出る一歩に繋がると信じています。
また、地域、学校と関わりを持つことは生涯の孤立を防げると考えます。
我が子は現在、不登校を選んでいますが担任と週1回、30分程の放課後登校で教室に入る練習を続けています。雑談をしながら信頼関係を築けるよう関わってくださる先生方には大変感謝しています。
最近その活動を気にかけてくれるお友達が一緒に参加してくれるようになりました。
我が子が久しぶりに同年代のこどもたちと無邪気に笑う姿が新鮮で微笑ましいです。
焦らず、見守っていきたいと思っています。
不登校は子ども、学校、家庭が同等に信頼関係を作らない限り改善しないと、経験から強く感じます。
子どもの権利を大切にしながら、大人がこうあるべきだと主張し合うのではなく、子ども自ら考える時間や機会を与えて行きたいです。
すっきり会が、不登校を選んでも孤立せず、親も子も『自分らしく』いられる居場所を一緒に探していけるような存在でありたいと願っています。」と、お言葉をいただきました。
そして、お二人が共感しておられたのが、すっきり会のような話せる場に来ることができる親はいいけれど、登校に悩む全ての親がすっきり会に足を運ぶことは、なかなか難しいということです。もっと気軽に相談や紹介をしやすい環境づくりも大切かと思います。
京都市内では他にも様々な活動団体があります。
京都市内で2020年3月、主に京都で不登校や学校に行きづらい子どもたちの支援活動をしている方や団体さんが集まって活動をする「京都・子どものミライづくり ポレポレ」 という団体ができました。
HP https://peraichi.com/landing_pages/view/porepore-kyoto/
それぞれカラーも違うので、ご自身が安心して過ごせる場で情報を共有していきましょう。
岡元麻有
取材後、雑談をしている中で・・
お二人とも小学生のお子様をお持ちで、一度不登校になり今は学校に行けている、あるいは不登校を続けている、という当事者さん。とても明るく、気さくなお二人でした!
大変勝手ながら、お子さんたちは人と会いたくない、外に出たくない、と思っているのかな、と思っていたのですが、全くそんなことないですよー!と明るく言われました。
体も動かしたいし、ボランティア活動や地域活動など、ぜひお声がけくださいと。
話をしなければわからないものだと反省。
是非おつなぎしたい活動がたくさんあります!お花やお寺、地域の清掃、火の用心…。そういった活動を通じて、心がすっきりしたり、人と話して経験を積み、算数も必要だ、理科知識も必要だということに自ら気がつくこともあるでしょう。記事を読んでいただいた方も、もし何か一緒にできることがあればぜひお声がけください。
子どもさん自身も社会とのつながりを求めていることがよくわかりました。
取材を通じて、すっきりしました!