同志社大学ボランティア支援室 学生スタッフARCO(アルコ)を取材しました。
代表の矢野実咲さん、副代表の小川結衣花さんを中心にインタビューを行い、ボランティア支援室高橋あゆみさん、学生支援課の古川博康さんにご協力をいただきました。
ARCO(アルコ)とは、AR=Area・地域 + CO=CO~共に が語源となっています。「地域と共に」をスローガンに、同志社大学に通う学生のボランティア活動の活性化を目的として、ボランティア情報の発信・紹介やボランティアイベントの企画・運営などを行っています。学生の立場から、ボランティア活動に参加したいという学生のお手伝いをする、大学のスタッフとしてボランティアに関わる組織です。
同志社大学寒梅館1階にボランティア支援室はあります。相談窓口、ボランティア情報などが設置されています。
ARCO誕生のきっかけは、歴史を遡ると寺町今出川下ルの出町商店街近くの町家で開催された「でまち家(でまちや)」というプロジェクトになりますが、現在のARCOとしては2014年からのスタートとなります。当時は「地域連携学生スタッフARCO」の名前で「学生自身が、地域の中に大学があることを意識できたら。そのためには、地域と仲良くなれたらいいな。」「大学も、学生と地域に交流する場を設けてくれたらいいな。」という思いを持ったメンバーが集まり、活動を展開していました。
この動きが現在の学生スタッフARCOの前身です。
そして2016年4月に同志社大学のボランティア支援室が開設された際、名称を「ボランティア支援室学生スタッフARCO」に変更され、現在にいたります。
そんな、地域や地域活動に興味のある学生をつなげる入口である、ボランティア支援室学生スタッフARCO 現代表の矢野実咲さん、副代表の小川結衣花さんは現在大学2回生。(取材時)とても素直に受け答えしてくださいました。
他にもサークル活動や部活動がある中で、ARCOで活動をしたい、そう思ったそうです。
矢野さん:「地域とかかわりを持つことができ、上京区は素敵なところだと思いました。それをもっと伝えたいと思い、地域と学生の出会いをコンセプトに、気軽に情報交換ができる場、‘同志社つながる@カフェ’を、先輩方の思いも引き継ぎながら、私たちも企画を継続しています。地域のこと、地域の人の魅力を実感することができました。一方で運営側としての進め方や、伝えることの難しさを知りました。」
小川さん:「私は静岡県出身で、大学に来てから地域を知りました。地域の方からは色んな情報をいただけます。他の学生にも届けたいと思います。これからは、コロナが落ち着いたら、学生へのアプローチをもっと増やしていきたいです。学校に来る機会も少ない上、チラシを配ることも今はできないなど、色んな制限があります。ですが、ARCOの認知度、知名度をあげて、ARCOが企画しているから、ARCOがいるから安心だ、やってみようと思ってくれたら嬉しいです。地域との関係を絶やすことなく、つないでいきたいです。」
学生をもっと巻き込んで地域とつながりたい、そんな熱い思いが伝わってきました。
取材時(2021年12月)のアルコのメンバーは14人。
コロナ禍で、各メンバーが悩みながら活動した長い1年だったと思います。
大学内では学生が情報収集や相談がしやすいように相談業務やマップづくりなどを行い、学外では、上京区役所で開催されている地域の方が積極的に情報交換を行う「朝カフェ」(毎月第4木曜日区役所などで開催)や上京区役所が主催する地域交流の場「上京!MOW」などにも参加しています。
少しずつ対面でのボランティア活動や自主企画イベントが再開しています。
地域の方が、同志社大学の学生を対象としたボランティアの依頼や募集をしたい場合は、ボランティア支援室に相談することができます。団体登録の手続きを進めていきます。2020年度末でボランティア支援室に登録された団体数は258。
災害ボランティアのノウハウの蓄積、復興支援活動を通じた地域との関係づくりを学ぶ取組、研修会の実施など、ボランティアへの関心も非常に高まっています。
大学、学生、地域がうまく連携し、ひとつひとつの小さなつながりが大きな力になっていく、そのような役割をARCOがつないでくれると感じました。
岡元麻有
私は、‘アルコ’というお名前のみを先行して知っていました。最初、まち歩きを企画する学生さんたちかな、と勝手な想像をしておりました。さらに自分たちがボランティアをしたい学生さんたちだとも勘違いしており、今回の取材を通じて大学のスタッフとしてボランティア支援を行う団体であることを知りました。とても素直で、自主性のある学生さんへのインタビューができました。私も地域の小学校に娘を通わせていますが、あたたかい思いがある大学、学生、地域で育てていきたいと思いました。