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大学を飛び出し街で学ぶ~地蔵盆を通した地域との交流~学生団体edunka

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こんにちは!学生団体edunka(エデュンカ。以下「edunka」という。)です。
私たちは「興味関心の種を撒く」をテーマに掲げ、「自分のやりたいことがわからない」と頭を抱える大学生に対して「やってみたい!気になる!」ことを見つけ、実践する機会を持てるよう、2023年5月に同志社大学社会学部教育文化学科5名で団体を立ち上げました。
大学内で座談会や興味関心を見つけるためのワークショップを開催後、振り返ってみると、私たちも十分に行動できていないことに気が付きました。そこで、次は、私たちが興味のあることを実行することにしました。メンバーの一人が、子ども時代に経験した地蔵盆(※1)の思い出を伝えたことがきっかけとなって、6月にゼスト御池地下街で行われた「京の地蔵盆・夏祭り相談会(※2)」に行って情報を集めた後、「上京朝カフェ」という交流会に出掛けて「地蔵盆に関わりたい」と伝えました。そこで、「地蔵盆を行う地域が減ってきている」というお話を参加者から伺い、私たち学生の力で地域を盛り上げたいという思いが強まる中、地蔵盆の役を担っている方、地蔵盆をしたいと思っている方を紹介いただき、顔合わせを経て、2つの地蔵盆に関わらせていただくことになりました。

地蔵盆の打合せでは「子どもの人数が減ってきているが、それでも楽しめる企画を」「コロナ禍で途切れてしまった地蔵盆の再開に向けて、一緒に作りましょう」など、それぞれの地域の方の思いを受け取りつつ、私たちへの温かい言葉も伝えていただき、「精一杯期待に応えたい」と、場所や子どもの年齢などを考慮してプログラムを企画しました。

私たちにとって最初の地蔵盆は、8月20日(日)に室町スカイハイツで行われた地蔵盆でした。
7名の子どもと保護者、役員の方々と一緒に、午前中に読経、紙芝居、スーパーボールすくい、けん玉や輪投げ、お地蔵さんの塗り絵をし、お昼休みを挟んで、午後から宝探しゲームのような「お地蔵さん探し」、ビンゴ大会をしました。
プログラムのうち、私たちは主に子ども向けプログラムを担いました。
「お地蔵さん探し」では、折り紙でできたお地蔵さん約50個を建物のあちこちに隠し、「折り紙のお地蔵さんをみんなで全部探そう!」と呼び掛けると、駆け回って探す子どもたちの表情がキラキラしていて、我ながらナイスアイデアだと感じました。
また、スーパーボールすくいでは、ポイの紙が破れてしまっても、子どもたちはそのポイをどうにか再利用して楽しむことができないかと考え、従来のやり方に捉われない方法で遊ぶ姿に、子どもの発想は素晴らしいと感心しました。

2回目の地蔵盆は、8月27日(日)に行われた堀川団地にある奈良物町町内会での地蔵盆でした。子どもが少なく、地蔵盆が数年間行われていなかったこともあり、何度かの打ち合わせを経て、一から地蔵盆の再開を目指しました。堀川商店街にあるお店からお供物や備品を揃えるなど、地域に密着した地蔵盆として復活でき、コミュニティの活性化にも役立つことができたと感じています。
子どもの人数はこちらも7名で、午前中にお地蔵さんを祀って会場を整え、午後から紙芝居、数珠まわし、畚(ふご)おろし、スイカ叩き(スイカ割り)、灯篭作り、ヨーヨー釣りをしました。さらに夕方からは、大人も交えてご飯を食べながらゆったりと過ごす時間となりました。
当日朝、子どもたちは午後からのヨーヨー釣りに向けて、お店の方とヨーヨーを膨らませていました。本番は昼からなのに、ビニールプールに飛び込むなど、服をびっしょり濡らしてそれはもう楽しんでいました。
地蔵盆が始まると、子どもたちはスイカ叩きや灯籠作りに夢中になっていました。子どもが描く車や動物は、想像力豊かで素晴らしいものばかり。会場は子どもの力で彩り溢れる空間となりました。子どもと一緒に灯篭を作っていると、昔のワクワクしていた気持ちを思い出し、私たちも熱中してお絵描きをしました。
この地蔵盆は、子どもにとって地域の方やお地蔵さんに囲まれて過ごすかけがえのない時間になったように思います。私たちにとっても、地域の方と一緒に地蔵盆の準備から片付けまで行えたことは、大きな達成感を得る経験になりました。

一生懸命に取り組んだ準備の中で、特に力を入れたのが、オリジナル紙芝居の作成です。
私たちは「地蔵盆とは何だろう」ということを子どもに伝えるため、手描きの紙芝居を用意し、読み聞かせを行いました。edunkaには、京都出身で地蔵盆を経験した人は一人しかおらず、地蔵盆についてみんなで勉強するところから始めました。地蔵盆では、音響を準備し、ナレーター役を決め、登場人物ごとに演者を決めてセリフを伝える紙芝居を披露すると、子どもたちだけでなく親御さんまでもが絶賛してくださり、とてもやりがいを感じました。

準備から当日までを振り返ると、edunkaにとって初めての学外活動だったので、地域の方々にもっと寄り添えたのではないかと内省しつつも、「大学生がいることで地蔵盆の活気があふれている」と役員の方に言っていただけたり、片付け後に「また遊ぼうね」と子どもたちから声を掛けてもらえたり、学外活動の第一歩としてedunkaのメンバー5人の「やってみたい」気持ちを形にでき、地域の方々を繋ぐお手伝いにもなったことを嬉しく思っています。
また、2回目の地蔵盆では「子どもが好きなので何かやってみたい」と思っていた大学生2名の参加もあり、「周囲の大学生がやりたいことを実践する機会を作る」という団体の目標に近づけたことにも喜びを感じています。

この度地蔵盆に携わらせていただいた室町スカイハイツ及び奈良物町町内会、NPO法人ANEWAL Galleryの皆様、私たちのポテンシャルを信じて自由に企画・提案させてくださり、また、それを支援してくださり、ありがとうございました。来年度もみなさまと一緒に地蔵盆を盛り上げられたら嬉しいです。

※1 地域と世代をつなぐまちの伝統行事。“京都をつなぐ無形文化遺産”に認定された。
※2 主催:「京の地蔵盆・夏祭り開催の請負人」実行委員会(代表:株式会社熊本玩具)、共催:京都市、ゼスト御池地下街

edunka
Instagram: https://www.instagram.com/edunka._/

レポーター

edunka代表 牧弥佑
たくさんのチャレンジがある中、最大限楽しみながら取り組めた活動となりました。私自身、子どもの教育にとても関心があるのだと気が付くきっかけとなりました。
今回edunkaとして地蔵盆に携われたことと同じくらい、地域の方々にedunkaを歓迎していただけたことをとても嬉しく思っています。私たちが私たちらしく活動できたのも地域の皆様が温かく迎えてくださったおかげです。地蔵盆に限らず、今後も、地域の皆様と大学生をつなげられるように積極的に活動していきます!

杉野紗世
地蔵盆の開催に伴い、既存の地域コミュニティに大学生が参入していくことに最初は不安な気持ちもありました。しかし、歓迎してくださったり、「来年もやってほしい」との言葉をかけてくださったりする地域の皆さんから、温かいエネルギーと自信をもらいました。大学の中で勉強しているだけでは経験できないことをする機会を作ってくださった方々、私たちの活動を支えてくださった方々、本当にありがとうございました!

矢野佑樹
今年20歳になった僕でも、小さな頃の思い出は鮮明に残っているものです。コロナの流行によって奪われてしまった、学びがたくさん詰まった子ども時代の時間。今からでも遅くないので子ども達には様々な経験をして学ぶことで、その時間を取り戻してほしいと思います。今後もそのためのお手伝いを、僕たちの活動を通して行っていきたいです。

森本陽介
京都人として、地蔵盆のないお盆はやっぱり寂しい!
これからも地蔵盆が、地域の人々と子どもたちみんながつながる場であってほしいです。
地蔵盆を通して地域のつながりや子どもたちの成長に触れられたこと、紙芝居の企画などを通じて、みんなに楽しんでもらえたことが、今年の夏一番の思い出です。

由利拓真
今回の地蔵盆を通して感じたことは、学外での出会いや経験から学びを得ることの重要性です。地蔵盆を通じて、地域の方々の想いを受け取り、どのように応えられるかと仲間と模索するなど、新しい経験やそこから得た学びがありました。何かを学ぼうとするには、受動的ではなく能動的に行動することがとても大切だという教訓を得る良い機会になりました。

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