子どもの笑顔がはじける「あすにこ食堂」

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毎月第3土曜日、千本上立売付近で小中学生とその保護者を対象に、「あすにこ食堂」というこども食堂を運営する団体「明日も笑顔」代表の佐々木薫一さんにお話を伺いました。
「明日も笑顔」という団体名には、「あすにこ食堂に来て、ごはんを食べて、遊んで、いっぱい笑ってほしい。次の日も、楽しかった時間を思い出して笑顔で過ごしてほしい」との思いが込められています。
佐々木さんは、「子どもが笑顔で過ごせるように、自分ができることはないか」と考えた時、飲食店経営や音楽フェスなどのイベント運営に携わった経験から、食事と体験学習の場となるこども食堂をしたいと思うようになりました。京都市内にあるこども食堂を訪ね、上京区社会福祉協議会など様々な団体や周囲の人に自身の思いを伝える中で、縁あってサービス付き高齢者向け住宅の京都保健会「咲あん上京」と出会い、場所を貸していただけることになったそうです。

2023年6月、近隣の小中学校にチラシを配り、飲食店のお客さんに運営を手伝ってもらいながら初回を迎えたあすにこ食堂では、たくさんの子どもとカレーを食べて、ウクレレを弾きました。それ以降、「食事と音楽やアート・もの作りなどの体験を通じて、子どもたちが笑顔で過ごせ、保護者の心もほぐれる場になれば」との思いで、毎月あすにこ食堂を開催しています。

取材で訪れた2024年5月には、40名を超える参加がありました。この日のメニューは、唐揚げ、サラダ、ほうれん草のごま和えと春雨スープ。揚げたての唐揚げを頬張った後、おはぎを作りました。ほとんどの子どもにとっておはぎづくりは初めての体験で、とても楽しそうに作って食べていました。

友達同士で参加した小学生は「おはぎづくりも絵を描くのも楽しい。同じ学校の友達に教えてもらって、今日初めて参加しました」と話し、常連の中学生は「誰でも来られるところ」「無料でおなかいっぱいごはんを食べられるところ」「たくさん遊べるところ」が好きだと口々に教えてくれました。
また、父娘で参加していたお父さんは、「ここでは、はしゃいでいる子も泣いている子も温かく迎えてくれるのがありがたいです。ここで娘も私も友達ができました」と、居心地の良さを感じておられていたようです。

食事後、おもちゃで遊んだり、絵を描いたり、思い思いに過ごします

あすにこ食堂の取組に加えて、佐々木さんは、5月5日のこどもの日に「あすにこパーク」というイベントを四条大宮ロータリーで開催しました。子どもを対象とした支援活動をしている団体が、バルーンアートや駄菓子屋さん、ハンドマッサージなどのブースを出した他、消防車と写真を撮れるコーナーや移動図書館、ジャグリング世界記録保持者によるパフォーマンスなど親子で楽しめるコーナーを準備したところ、朝からたくさんの家族連れが訪れました。イベントを開催したことで、子どもを対象とした団体間のつながりができて、来場者にもそのような団体があることを知ってもらえたなどの手応えが感じられ、佐々木さんは「今後も継続して開催します」と、次回に向けての思いを語っておられました。

「本当に色々な人に助けられながら、食堂が続いています」と、佐々木さんは1年を振り返ります。「僕は、動いてしゃべるぐらいしかできなくて」と控えめに語られますが、佐々木さん自身が経営する飲食店のお客さんやSNSでのボランティア募集の呼びかけに応じる協力者が集まるのは、きっと「子どもが安心して笑顔で過ごせ、それを支える社会でありたい」と行動に移す佐々木さんの思いに共感するからでしょう。
「子どもが楽しそうにしているのを見ると嬉しくなります。あすにこ食堂を通じて、今まで出会わなかった人と知り合えました。始めた頃は分かりませんでしたが、何度か会ううちに調子が悪そうな子どもがいることに気づき、気にかけるようになりました。食べに来てくれる子の中に、日々の暮らしや家庭環境に困っている子どもがいたら手を差し伸べたいと思います」と語る佐々木さん。
今では、近隣の子どもたちが楽しみに通う場になっているあすにこ食堂。「目指せ100食！たくさんの子どもたちに思いきり笑ってほしい」と、あすにこ食堂は、温かい心で子どもたちを迎えています。

あすにこ食堂
毎月第3土曜日　11:30-14:30
会場　京都保健会　咲あん上京（京都市上京区千本通上立売上ル花車町504）
こども（小学生・中学生）無料
おとな　300円

あすにこパーク
日にち：10月26日（土）
場所：四条大宮ロータリー