2月22日(月)、上京区役所の一階ロビーには立止まる来場者の姿が多数みられた。足を止めた来場者の目線の先には、上京中学校美術部が夏休みを丸々費やして作成した『風神雷神図』の屏風絵が飾られていた。
この風神雷神図は2月9日~2月22日までの間、区役所に設置された。教科書に掲載されている図そのままの完成度が、多数の来場者の目を引いた。区役所の職員の中にも撮影する姿が見え、大いに賑わった。
この日は作品の撤去日でもあり、片づけに来た上京中学校美術部のメンバー7人と出会った。撤収前には区役所からの交流の一環として、区役所職員が美術部メンバーに庁舎内の案内をした。記者もそのツアーに同行させてもらうことが出来た。
ツアーでは4階の屋上緑化や区民交流和室、大会議室、障害者用のトイレ等が紹介された。
案内役の藤中室長から「区役所には4つの“きづかい”があります。」と、利用者に対する「気遣い」、地球環境にやさしい「気遣い」、上京らしいしつらえの「気遣い」、京都地域産の木を使っている「木使い」に関して説明を受けて、興味を持つ生徒が多数いたようだ。
ツアー後の一言メッセージでは「階段の1段が低くつくられていたり、障害者の方にも使いやすく分かりやすく作られていることにとても感心した。」や、「自分が好きな部屋は和室です。貴重な木がたくさんあってとても落ち着いた。区役所は、ここまで設備が整ってることに驚かされました。」など、“き・づかい”に関する感想が多数書かれていた。中には「自分もここに住んでみたいです」や「(職員に)とても優しい方が多いなと思いました。」と感想を寄せる生徒もおり、美術部と区役所の交流は深まったようである。
感想の中には「風神雷神をかいてみて、昔から伝わっているものをかくのはとても難しいんだろうなと思いました。周りを西陣織でかざったりして上京区らしくできたと思います。」と、述べている生徒もおり、今回の制作と交流は、生徒たち自身が地域やその歴史に目を向けるきっかけになったようだ。今後も上京中学校美術部の活躍をチェック!!
馬渕佑基
大谷大学 歴史学科 第4学年 能楽部前部長
2014年度は学園祭実行委員会に所属。前年度は学生会中央執行委員会副委員長を務めていました。地域と学生の関わり方について自分なりに模索しながら、どら焼きと歴史を愛して日々生きています。一緒にどら焼き巡りの旅に出てくれる人、大募集!!