上京区中立売七本松南東。「ふれあいの街・きたの」北野商店街の中。ガラス張りの店内にカラフルな装具が陳列されている。お店の方は、ものづくりに懸命な様子である。
ゆめ工房は、2018年7月にオープンした、身体に障がいを持つ子どもたちが身につける補装具をつくる工房である。毎回ひとりひとりの希望を聴いて、オーダーメイドでひとつひとつ丁寧に手作業で製作している。装具とは、義手・義足とは違い、低下した身体の機能を補うために装着するもので、小児専門店は全国でもめずらしい。
益川恒平さんと由美子さんが夫婦2人で製造から販売まで手がけている。
恒平さんには、シングルファーザー経験がある。その頃に、自分の子ども以外の子どものためにも時間や体を使って色々なことをしている方々と出会い、心の底から救われた。その後、「自分も子どもたちのために何かできないか?」と思うようになったそうだ。
また、小児用補装具は専門性・特殊性が極めて高いため、小児専門でないと丁寧に対応しきれないであろうと思ったことも理由のひとつだ。
そして益川さんには、10数年前から、京都府内にあるリハビリ施設において、ひと月に5人程度のダウン症のあるお子さんにインソールを計600足以上つくり続けてきた実績がある。
工房のwebサイトには、「こどものための補装具であれは、どんなものでも対応させていただきます」とある。今までの具体例等を伺ってみた。
補装具ではないが、子どもが利用する施設より、「感覚統合遊具」の製作依頼もある。
益川さんは、「無いものを生み出すことが楽しい!」と笑顔でお話しされている
時間と手間をかけてお話を伺い、一緒に考えながら選択肢を提示することが大切で、障がいのある子どもたちに関わるみなさんにも補装具業者任せであってほしくないとの考えをもっておられる。
また、「こどもたちや保護者の方々からすれば、製品を受け取った時がスタート」との考えをもっておられる。
今は小児(18歳まで)とくくっているが、今関わっているお子さんが成長されたらその後どうするのか?
その時が来たらまた考えようと思っているそうだ。
「脳性麻痺やダウン症、発達障がい等は、医学書上その特性を一括りにされることが多い。しかし、同じ障がいでもこの子はこれをもっと出来る等、個性の違いが大きい。保護者のみなさんがどう考えどう判断しどう行動するかによって、子どもたちの未来は変わる。」ということ。
「以前は身体にフィットする補装具を製作することに固執していたが、今は、そのお子さんがどんな暮らしをしているのか、学校や家でどのように過ごしているのかの方が大切と思うようになってきた。
また、色々な方のお話を聴くうちに、保護者のみなさんが一番不安に思っておられるのは、「私たち保護者がいなくなったら、この子はどうなるのか?」ということだとわかった。
そして、同じ境遇の方や施設や業者等、人と人とがつながるキッカケをつくれたら‥ゆめ工房が色々な選択肢を提供できる場になれれば‥と近頃切に思うようになってきた。」とお話しくださった。
人と人とがつながるキッカケをつくれたら‥の思いから初開催されます!!
障がいや発達に悩みのある子どもたちとそのご家族、子どもたちに関わる施設さんや団体さん、子どもたちのためになにかPRしたい企業さん、様々なみなさまに集まっていただき、フリートークしていただくカフェです♪
参加ご希望の方は、ゆめ工房までご連絡をお願いいたします。<TEL/FAX(075)205-5372>
たくさんのみなさまがつながることを、心より楽しみにしておられます。
京都信用金庫西陣支店 2階「クリエイティブコモンズNISHIJIN」
京都市上京区千本通五辻下る上善寺町108番地(千本今出川北東)
森田典子
お客様からの声で嬉しかったことは?の質問に、「今まで歩きたがらなかった子が、自分から歩くようになったという声です」と、笑顔で答えてくださいました。あたたかいお人柄を感じました。
ゆめ工房は製品を渡したらそれで終わりではなく、今後のお子さんの成長と親御さんの気持ちにも寄り添ってくれるお店なのだとも感じました。
どこまでも「こどものみかた」のようです!!