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レトロ銭湯で心もほっこりー古くて新しいまちのお風呂屋さん「源湯」

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源湯(みなもとゆ)は、1928(昭和3)年創業のまちのお風呂屋さん。通称「げんゆ」と呼ばれ親しまれています。老朽化が進み廃業予定だったところ、銭湯継業の専門集団ゆとなみ社が引き継ぎ、2019年7月13日にリニューアルオープンしました。





お風呂はもちろん、「銭湯空間」全体が楽しめるようになっています。
「ととのいスペース」と呼ばれる和室ではマンガや絵本、あんま機やレトロなゴミ箱など、懐かしいしつらえに囲まれながらゆっくりすることができます。感想ノートやディスプレイなど、まるで民宿や旅館を思わせます。





お母さんの悩みに寄り添い、親子が笑顔で過ごせるサロン

源湯では、銭湯と新しい企画を掛け合わせて、銭湯全体を盛り上げています。例えば、5月5日のこどもの日には子どもたちに番台体験をしてもらう「キッズ番台」や、入浴中の災害に備えた「防災訓練」など、ユニークかつ、地域にとって欠かせない役割を果たしています。

源湯スタッフの安藤さんは、「スタッフは、銭湯が好き、古いものが好き、銭湯経営をやってみたい、など様々な理由で集まってきています。そして、色んな楽しみ方を知っているから、くつろぎスペースを活用して、音楽イベントや香りのイベント、ランニングイベントなど、企画が幅広く広がっています。」とおっしゃいます。
地域の飲食店とのネットワークもあり、毎回楽しいアイデアでファンの心をつかんでいます。



ゆとなみ社のスタッフは若い方が多く、ほとんどが生まれた時から家庭にお風呂がある世代といえるでしょう。だからこそ、暮らしに必要不可欠だった大衆浴場の存在意義とは異なる銭湯の良さを残しながら、若者たちが新しい発想を加えて取り組む様子に心を動かされます。変わってはいけない古さを残し、地域コミュニティを大切にした企画や取り組みが、常連さんにとっても「ちょうどよい」のだと感じました。

「京都の銭湯も年々減少していっています。守れない銭湯もたくさんありますが、源湯周辺は比較的残っている地域です。色んな銭湯を巡ってもらって、やっぱり源湯がいいな、と言ってもらえるようになりたいです。
そして、初めての方にも安心して来てもらえるようにぜひ一度足を運んでもらいたいです。490円(入浴代)以上の満足度を感じてもらいたいです。」と安藤さん。

番台には担当の名前が掲げられており、お客様が来られたら声掛けをするように意識しているとのこと。
源湯オリジナルグッズや駄菓子やドリンクも販売されています。
子どもたちが駄菓子だけ求めに来そうなあたたかい雰囲気です。
新しいまちの形が、銭湯の活性から生まれている、そんな印象を受けました。

老朽化が進む設備や建物を守りながら存続させることは、たくさんの苦労があると思います。ですがこの日も、オープンとほぼ同時に雨の日でも地域の常連さんが足を運ばれていました。当たり前のことを続ける大変さと、大切さを感じました。



レポーター紹介

岡元麻有

数年前ご近所の大好きだったお風呂屋さんのボイラー室が壊れ、廃業されました。捨てるならうちで使いたい!といってお風呂屋さんから水屋箪笥やイスなどを譲っていただき、現在も活用中です。

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