上京ふれあいネット カミング

ごみは誰かのパイプ役―
つなげてやさしい「上京ecoリユース図書館」「東部まち美化リユース図書館」

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エコまちステーションは、京都市内の区役所や支所内に開設されている環境拠点で、「ごみ減量・分別・リサイクルの推進」、「世界一美しい京都の実現」、「環境教育の充実」、「温暖化対策」の4つの柱を中心に事業を推進しています。

上京区役所にも1階西側玄関を入ってすぐのところに、上京エコまちステーションがあり、循環型社会を推進するため、地域における自主的な清掃活動、使用済てんぷら油、古紙などのコミュニティ回収等のごみ減量・リサイクル活動への支援、使用済み電池の回収や地域のごみネットの相談など、環境やごみに関する相談窓口となっています。

上京エコまちステーションでは、「上京eco リユース図書館」というユニークな取組が始まっており、連日通うファンもいるほど、気になるスポットになっています。
東部まち美化事務所総合環境推進員 兼崎さん、上京エコまちステーション作業長 村上さんにお話を聞きました。


▲左)上京エコまちステーション作業長 村上さん 右)東部まち美化事務所総合環境推進員 兼崎さん

・「上京eco リユース図書館」



「上京ecoリユース図書館」では、リユース可能な本・絵本を集めています。
窓口に持ち込まれたリユース可能な書籍・絵本は、1人2冊まで自由に持ち帰ることができます。また、リユース可能な本(単行本、新書、文庫など)や子ども向け絵本、児童書は、1人1回10冊まで持ち込むことができます。



上京区民のみならず、上京区を訪れた方も利用することができ、持ち帰るだけでも利用可能です。もちろん本の持ち込みだけでも無料で利用することができます。さらに、持ち込み・持ち帰りのいずれでも、利用すると図書カード(月最大3回まで)が発行され、スタンプがたまるとエコグッズが進呈されます。

・「上京eco リユース図書館」誕生のきっかけ

ごみのピークといわれる平成12年度には、82万トン(市受入量)もありました。生活する私たちの意識やたくさんの協力で、平成28年には半減したそうです。
(参考 京都市のごみの量 https://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000158436.html
リユース、リデュース、リサイクルという「3R」の取組意識が高まる中、さらにごみを減らす取組として「ごみにせず、もう1回活用しよう」という考えのもと、令和2年10月、「上京ecoリユース図書館」が生まれました。

開設当初は文庫本中心で、持ち込まれる本より、持ち出しの方が多かったそうです。
区役所で開催している子育て広場とのつながりがきっかけで、子育て世代へも広がり、絵本などが集まるようになってきました。
今では1つだった本の棚が、2つに増え、本の種類も文庫本、絵本、児童書、趣味の本など多岐に及んでいます。
利用層としては、シニア世代、子育て世代、大学生まで幅広く、毎日来られるファンの方もいるそうです。

・上京ecoリユース図書館を通じて

村上さんは、「リユースは人と人とのつながりが生まれます。本をパイプにして、気軽に相談してもらい、身近なごみの問題を解決する場にしていけたらと思います。ごみ減量へ興味を持ってもらえたら嬉しいです。」と言います。

そんな優しい村上さんのお声に安心し、レポーターの私もこの場をお借りして実際に持ち込みをしてみました。実は、活用してみたいと思っていたのですが、「登録に時間がかかるかな、本を持ってきたけど返されたら嫌だな」と躊躇していたのですが、児童書、写真集、図録など快く受け入れてくださいました。
汚れがひどくリユースできないものや雑誌・マンガ本は、雑紙として処分(リサイクル)されることになります。

・東部まち美化リユース図書館の開設

左京区高野にある東部まち美化事務所では、上京区、北区、左京区のごみ収集運搬や、学校、公園など、市民の皆様の身近な場所に出向き、資源物の回収を行う「移動式拠点回収事業」を実施しされています。その他にも、ごみ減量活動、リユース活動に力をいれており、 不要になって持ち込まれた子ども向けの本や絵本を事務所玄関ホールで「リユース図書館」として開設されています。
こちらでも図書カードを作り、本が欲しい方は1人3冊まで、本を提供したい人も持ち込むことができます。もちろん無料です。
令和4年10月からスタートし、59名が登録、40名は子育て世代だといいます。
まだまだ使える子ども服、おもちゃ、絵本などを集めてリユースイベントなどで必要とされている方たちに活用されています。

・「東部まち美化リユース図書館」の広がり

雑紙として処分される予定だった本をみて、「もったいない」と感じた気持ちがスタートでした。
誰かに活用してもらえたらな、という優しい気持ちが広がりを見せています。環境にやさしく、人にも優しい、このような取組が広がることで、ものを大切にする気持ち、捨てる時のマナーも変わってくるのでしょう。

「HAND IN HAND~つなげよう未来へ~」、すてきなTシャツを今日の取材のために着て来てくださった兼崎さん。

「ごみ減量の取組では、分別の複雑化、わかりづらいというお声もあります。まずは知っていただき、相談できるような場にしていきたい、人間関係が希薄といわれる現代において、ごみ減少に対する相談、身近なごみの問題、ごみをパイプに人のつながりを育むことが私たちの役割だと思っています。」

そんなアイデアを実行に移す、パワーあふれるあたたかいお2人にインタビューすることができました。
仕事を誇りに思っておられるお姿も印象的でした。
もしまだ使える、もったいないものがご家庭にあれば、ぜひ上京エコまちステーション、東部まち美化事務所に相談してみてはいかがでしょうか。

上京ecoリユース図書館

開設場所 京都市上京区今出川通室町西入堀出シ町285番地
上京区役所1階 上京エコまちステーション
利用時間:月曜日~金曜日 8:30~17:00 ※土・日曜日・祝日・年末年始はお休みです。
問合せ先:エコまちステーション 上京区役所 1F
電話075-366-0776
上京ecoリユース図書館詳細https://www.city.kyoto.lg.jp/kamigyo/page/0000127663.html

東部まち美化リユース図書館

開設場所 京都市左京区西開田34-4
京都市東部まち美化事務所(玄関ホール)
利用時間 月曜日~金曜日及び祝日 9:00~16:00 ※土・日曜日は、お休みです。
問合せ先 東部まち美化事務所 電話075-722-4345

レポーター紹介

岡元麻有

「ごみ」の分類をよくわからないからしないのではなく、よくわからないから相談してみよう!という気持ちになりました。
令和3年度の京都市の一人一日当たりのごみ量(家庭ごみ:399g/人日、家庭ごみと事業ごみを合わせた合計:758g/人日の両方)が、全国の政令指定都市で最少だそうです。
これは、新型コロナで事業ごみが以前より減少したことも影響もありますが、ピーク時からごみを減らし続けてきた、市民・事業者の取組の結果だそうです。なんだか嬉しいですね。

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