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アートと交流・地域住民とともに生きる堀川商店街

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▲左から関目さん、乾代表理事

堀川商店街協同組合代表理事乾さんと企画広報部の外部メンバー関目さんにお話を伺いました。

・堀川商店街について


▲令和5年9月29日・30日開催「ほり川まつり」の様子

堀川商店街は昭和26年(1951年)から続く商店街です。
その歴史は太平洋戦争前まで遡りますが、戦争中に「建物疎開」といって、空襲で火災が発生した際に周辺住宅や重要施設への延焼を防ぐ目的で、建築物を強制的に撤去する国策により撤去することとなった「堀川京極商店街」が前身になっています。

そして、戦後、住宅難解消と商店街の復興をめざして、堀川団地が建てられました。
堀川団地は、1階に店舗兼住宅、2階以上は集合住宅を持つ団地で日本初のスタイルとして注目を浴びました。

現在は、堀川通に面した上長者団地から椹木団地まで、6棟に商店を構え、全28店舗と賛助店舗2店舗の計30店舗が軒を連ねています。(取材2023年12月末)

堀川通に面している点、軒の長いアーケード、棟ごとに同業種がいない点などが特徴で、最近では堀川団地の耐震性強化などリノベーションが進み、「アートと交流」をテーマに新しい風が吹いています。

・アーティストと店舗の交流とは

堀川商店街では、ここ数年、「アートと交流」をテーマに、団地で暮らすアーティストと、商店街店主の架け橋的な存在になるため、商店街理事会と企画広報部のメンバーが話合いを進めてきました。
企画広報部には大学や専門学校の教授や講師、商店主、ギャラリーなど専門家が有志で賛同しており、意見交換を行っています。堀川商店街理事会の中に外部メンバーが関わることはこれまではなかったようで、企画広報部の関わりをきっかけとして、建築イベントの実施、アーティストの日常と商店街の関わりをまとめた動画配信など、何か新しいことを始めよう、という思いが様々な形になっています。
2023年11月には、京都市内のモダン建築を巡る「京都モダン建築祭」のイベントに連動し、堀川商店街協同組合が学生と一緒に「堀川商店街を知る・考える・関わる展」を開催するなど、交流企画が生まれました。
また、ちょうど取材の日は、団地に住むアーティストがプレゼンを行うという日でもあり、具体的な企画が一歩ずつ動き出しています。


▲プレゼンの様子


▲「堀川商店街を知る・考える・関わる展」当日の様子

そのほか、具体的なアイデアとして、堀川団地に住むアーティストの工房で制作したお皿や器を、飲食店で実際に活用し食事を提供する、それをお客様が購入するといった循環を生むことなどを考えられています。

これらを実現するためには、
・堀川商店街、堀川団地にはどんな人がいるのだろう=お互いを知ることが大事
・知るためには発信するツールが必要=堀川商店街界隈に住む子どもたちで結成されている堀川こども団が発行する「ほりかわこども新聞」の力をかりよう

ということで、「ほりかわこども新聞」でも堀川商店街のことが紹介されるなど、つながりを見せています。



・将来への思い


まだまだ途上段階ですが、新たなアイデアと協力で見えない壁が取り外されている様子です。

乾理事長は、「何もやらなければ、何も生まれません。どういった形でも人に来てもらえるような商店街にしたい。堀川商店街は生活導線として通ってくれている人は多いが、買い物客が少ない。新しい発見があり、良いものを安心できるお店で買っていってもらいたいです。観光という点では、二条城から晴明神社まで歩いてもらい、その導線にある堀川商店街で楽しく買い物してもらいたいと考えています。」

さらに、


▲堀川デッキ(堀川団地下立売棟南端)

「建築専門学校の皆さんが作ってくれた「堀川デッキ」の使い方も募集しています。待ち合わせの場所や交流が生まれる場所として使ってほしいです。また、今後はほかの商店街との連携も必要だと思っています。自分一人では小さな力だけど、連携することで大きな商店街のパワーになると思います。」
祖父の代から店舗を営む乾理事長。商店街の理事長として4年目ですが、思いを口にすることで、これまでにはないジャンルの知り合いが増え、変化を感じるといいます。


▲店に立つ乾代表理事(右)

関目さんは、「乾さんは、「家庭用品趣味の園芸 カネマス乾商店」という看板こそ掲げていますが、地域の方や常連さんがよく相談に来られている姿を見かけます。顔が見えるから安心してなんでも相談されているのだと思います。商店=売る人、地域住民=消費者=買い物をする人といった従来の関係ではなく、地域の中にある商店街として、アーティストの方も巻き込んだ地域活性化に向けた取組をしていきたいです。」と言います。

堀川商店街では、長い歴史の中で、これまで様々な取組を行ってきました。商店街の店主たちからは、商品を売ることは得意だけれど、活性化のための新しいアイデアを生み出し、実行に移すことの難しさがあると聞きました。それを打破するために、商店街の中の人だけでなく、関目さんたち企画広報部のような、外部の力が必要と感じていた乾理事長と話し合う中で、だんだんとその方向性や取組が見えてきたようです。

今後がますます楽しみです。

レポーター

岡元麻有

堀川商店街の歴史も伺えて、学びがたくさんある取材となりました。
地域に暮らす方にとっても安心で楽しい商店街が人を引き付ける魅力になるのだと思います。

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